『関節が硬い=体の疲れやすさ』
- 京都ほぐし堂WEB

- 2025年12月8日
- 読了時間: 18分
更新日:2025年12月22日

「あれ、最近疲れやすい…?」から始まる体の変化
「あれ、なんだか最近、やたら疲れるなあ」
そう感じる瞬間、ありませんか?
仕事の量が増えたわけでもない。夜更かししたわけでもない。
特別に重いものを持ったり、走ったりした記憶もない。
それなのに、朝起きた瞬間から「だるいなぁ」と思っていたり、
夕方になると頭がボーッとしてくる。
気持ちは元気なつもりなのに、体がついてこない──
そんな「なんとなくの疲れ」や「いつもの疲れ」が、
実は“関節の硬さ”と関係しているかもしれないとしたら、どうでしょうか?
関節といえば、肩・肘・膝・股関節など、体を動かす“ジョイント”の部分。
なんとなく「運動不足の人が硬くなるもの」というイメージがあるかもしれません。
でも実は、私たちが毎日感じている「疲れ」の一部は、
この“関節の動きの悪さ”に深く関わっていると言われています。
体は本来、スムーズに動くことでエネルギー効率がよくなり、
血流やリンパ、内臓機能、そして筋肉のコンディションまでが整っていきます。
ところが──
関節の可動域が狭くなっていると、体全体の動きが“ぎこちなく”なり、
そのぎこちなさを補うために、余計な力が入り続ける。
すると筋肉が無駄に疲れて、姿勢が乱れて、血流も滞って、
結果的に「疲れやすい体」ができあがってしまうのです。
しかも、厄介なことにこの「関節のこわばり」は、
自分では気づきにくいのが特徴。
・「座りっぱなしでも、まあ平気」と思っていたら、実は股関節がガチガチ
・「階段で膝が鳴るけど、痛くないから大丈夫」とスルーしていたら、関節周囲が慢性的に炎症気味
・「肩はこってるけど、これが普通だと思ってた」──そんな日常の“当たり前”が、じわじわと疲れを増やしている可能性があるのです。
このコラムでは、そんな“関節と疲労の見えない関係”をじっくりと紐解きながら、
私たちの体にどんなサインが現れるのか、どうすればもっと軽やかに毎日を過ごせるのか──
体と心、両方の視点から「関節と余裕」について考えていきます。
途中で、実生活の中にある「関節が硬い人のあるある」や、
「ゆるめるとラクになる実感エピソード」も交えながら、
あくまでもやさしく、そしてちょっと面白くお届けします。
関節と聞いてピンとこなかった人こそ、ぜひ読んでみてください。
体の可動域は、心の余白にもつながっているのかもしれません。
目次
第1章|関節の可動域が狭くなると、どうなる?
「関節が硬い」とはどういう状態か?
まず最初に、「関節が硬い」ってどういう状態なのか、ちょっと整理してみましょう。
関節とは、骨と骨をつなぎ、動きを生み出す“ジョイント”部分。
肘や膝のようなわかりやすいものだけでなく、肩、首、手首、足首、股関節、背骨など、じつに多くの関節が全身に存在しています。
この関節たちは、靭帯や関節包(関節を包む袋)、周辺の筋肉や腱などと連動してスムーズな動きを生み出しているのですが、
・筋肉が固まっている
・周囲の靭帯がこわばっている
・関節液の循環が悪くなっている
などの理由で、動きに制限がかかってしまうと、「関節が硬い」状態に。
その結果──
体の動きがぎこちなくなる
スムーズに動けないことで、他の筋肉に余計な負荷がかかる
体の重心がズレ、姿勢が崩れる
血流やリンパの循環が滞り、疲労物質が溜まりやすくなる
代謝も低下し、むくみや冷え、だるさ、頭痛などが出やすくなる
という、負のスパイラルが生まれてしまうのです。
「あれ、最近疲れやすい」の裏側にあるもの
関節の硬さは、意外と「疲れ」に直結しています。
たとえば、次のような日常シーンを思い出してみてください。
・起きた瞬間、腰や背中がバキバキ
→ 睡眠中に関節がロックされていた可能性あり。
股関節や背骨の可動域が狭いと、寝返りが減り、血行が悪化して疲れが取れにくくなる。
・夕方になると脚がパンパンでだるい
→ 足首・膝・股関節の動きが制限されていると、下半身の循環が悪くなり老廃物が滞る。
・肩こりが慢性化していて、頭も重い
→ 肩甲骨の可動域が狭くなると、常に肩が引き上がった状態に。
首・背中・頭の筋肉にも余計な負荷がかかり続ける。
こうした状態が日常的になると、「特に何もしていないのに、いつも疲れてる」という感覚につながってしまうのです。
なぜ可動域は狭くなるのか?
関節の可動域は、加齢によって自然と狭くなっていきます。
ですが、それ以上に日常の“クセ”や“環境”が大きく影響しています。
長時間のデスクワーク
スマホを覗き込むような姿勢
運動不足
片足重心や脚を組むクセ
長時間の同じ姿勢(電車移動、会議など)
ストレスによる筋肉の緊張
これらが蓄積されると、筋肉や関節周囲がどんどん“固まっていく”のです。
また、冬の寒さによる筋肉のこわばりも、可動域を制限する一因になります。
12月などは、寒さで肩をすくめる姿勢が増え、呼吸も浅くなりがち。
その積み重ねが、“疲れやすい体”に拍車をかけることも。
自分の関節が硬くなっているサイン
ここでチェックしてみましょう。こんなサイン、思い当たりませんか?
靴下を履くときに、バランスを崩しそうになる
足の爪を切るのが大変
立ったまま床に手が届かない
肩を回すとゴリゴリ音が鳴る
正座がつらい
電車の吊革につかまるのがしんどい
腰をひねる動作で違和感がある
これらは、関節の可動域が狭くなっているサイン。
普段は“老化”や“疲れ”と片づけてしまいがちですが、
「関節が本来の動きをしていない」ことによる弊害でもあるのです。
“動きやすい体”は、“疲れにくい体”
ここまでで、関節の硬さが日々の疲れと密接に関係していることはおわかりいただけたかと思います。
逆に言えば、関節の動きがスムーズになると、
動作が効率的になり、無駄な力が抜ける
筋肉が過剰に働かず、疲労しにくくなる
血流やリンパがよくなり、代謝が上がる
姿勢が整い、呼吸も深くなる
心のリズムも穏やかになる
といった、好循環が生まれていきます。
これこそが、「関節の可動域=体と心の余裕」と言われるゆえんです。
第2章|関節が硬いと、心までこわばる?
体の硬さは、単に「筋肉や関節の問題」だと思われがちですが、実はメンタルの状態にも密接に関わっています。
この章では、関節の可動域と“心の余白”の関係を、ストレス・自律神経・感情とのつながりから見ていきます。
関節と心はつながっている?
「心が疲れているとき、体も重い」
「緊張すると、肩に力が入る」
「落ち込むと、姿勢が前かがみになる」
──誰もが経験したことのある、この“心と体のリンク”。
実はこれ、感覚ではなく、生理学的にも説明がつく現象です。
たとえば、緊張やストレスを感じたとき、人の体では交感神経が優位になります。
このとき、筋肉は緊張状態になり、肩や首のこわばりとして現れる。
これが積み重なると、次第に“関節まわり”にも負担がかかり、可動域が狭くなっていくのです。
つまり、「心がこわばると、体もこわばる」。
そして、「体がこわばると、心の余裕も失われる」。
この相互関係が、知らぬ間に“慢性疲労”や“やる気のなさ”へとつながっていきます。
ストレスが“体の硬さ”をつくるメカニズム
ストレスを感じたとき、体は「防御モード」に入ります。
交感神経がオンになり、筋肉は緊張し、心拍数や血圧が上がる。
これは「外敵に備える反応」でもあり、瞬間的には有効な反応です。
しかし、現代人の多くはこの緊張状態が長く続いています。
これが問題。
長時間の座りっぱなし(=体を動かさない)
締めつける服や、冷えによる筋緊張
人間関係のストレス
SNSや情報過多による疲弊
頭ばかり使って、体が“置いてけぼり”
こうした生活の積み重ねは、体を「慢性的なストレス状態」にし、筋肉や関節の可動域を奪っていきます。
可動域が狭い人にありがちな“メンタルのクセ”
関節が硬い人に見られがちな、ある“共通点”があります。
それは、「気持ちの切り替えが苦手」ということ。
スケジュールが詰まってくるとパニックになる
思い通りにいかないと強く落ち込む
頭ではわかっていても、感情がついてこない
不安や緊張が、なかなか抜けない
こうした状態は、心の中に“可動域のなさ”を感じさせます。
一方で、心身のゆるみがある人は──
困ったとき、ちょっと笑える余裕がある
切り替えが早く、引きずらない
素直に「疲れた」と言える
失敗しても「まあいっか」と言える
といった“心の柔らかさ”を持っています。
この違い、実は「体から変えていく」ことでも埋めていけるのです。
呼吸の深さが、感情の“幅”をつくる
関節の可動域が広がると、呼吸も自然と深くなります。
逆に、胸郭(胸まわり)の可動域が狭い人は、呼吸が浅くなりがち。
肋骨や肩甲骨が固まっていると、呼吸が“上だけ”になってしまい、
結果、吸っても吸っても息が入ってこないような感覚に。
これが“息苦しさ”や“緊張感”の元になります。
反対に、関節がゆるんで胸まわりが広がると──
背中で深呼吸ができる
横隔膜がしっかり動く
息を吐くたびに体も気持ちも緩む
心拍が安定し、安心感が増す
という変化が起きます。
つまり、「体の可動域の広さ=呼吸の幅=感情の幅」。
体のゆとりが、心のゆとりを生むのです。
小さな「動き直し」が、心の“立て直し”になる
関節を動かすということは、言い換えれば「体の空気の入れ替え」。
背伸びをする
股関節を開く
肩甲骨を回す
首をゆっくり左右に倒す
こうした、たった30秒の動作でも、心の中で「ひと区切り」がつきます。
デスクワークの途中、深夜に気分が落ち込んだとき、朝起きてぼんやりしているとき──
どんなときでも「関節を動かす」ことで、少しだけ“別の自分”になれる。
これは、心理療法でいう「身体性の再獲得」とも関係しています。
「私は今、ここにいる」という実感を取り戻すために、
“今ここで動く”という体の働きは、何より強力な味方になるのです。

第3章|なぜ“柔らかい人”は疲れにくいのか?
「疲れにくい体質」と聞くと、体力や筋力の差だと思われがちですが、実はもっと根本的な違いがあります。
それは、「体の柔らかさ=動きのしなやかさ」。
この章では、疲れにくい人たちが持つ“柔らかさ”の秘密を、生活習慣・姿勢・筋肉の反応など多面的に掘り下げていきます。
疲れにくい人の共通点は、「すぐゆるむ」
柔らかい体の人は、「疲れない」のではなく「疲れても回復が早い」んです。
こんな特徴、思い当たりませんか?
こまめに伸びをする
イスに浅く腰かけない(骨盤が立っている)
眠るのが上手(寝つきがいい・中途覚醒しない)
移動中、座ってもすぐ立てる
頭痛・肩こり・腰痛が慢性化していない
これらは一見バラバラの特徴に見えて、実は共通しています。
それが「体の余白がある」ということ。
疲れがたまりやすい人は、動きが「かたい」「とぎれがち」「同じ姿勢が長い」傾向があり、
体のどこかに“無理”がかかっている状態が続いています。
柔らかさ=“余白力”
ここで言う「柔らかさ」は、開脚がベターッとできるかどうかではありません。
筋肉や関節に「余白」があるかどうか、ということ。
肩が上がっているのに気づかずに生活している
腰に重さがあるのに放置している
歩き方がぎこちない
呼吸が浅いまま日常を送っている
こうした“自覚のない無理”が積み重なると、
やがてそれは「慢性疲労」や「心の疲れ」として現れてきます。
逆に、柔らかい人はこういった“無意識のコリ”に気づくセンサーが高い。
疲れる前にほぐす、違和感を察知して動かす、といった「セルフケアのタイミング感覚」が上手なんです。
柔らかい人の生活習慣って?
では、そんな人たちはどんな日常を送っているのでしょうか?
具体的な共通点を挙げてみます。
◎ 柔らかい人の“動き方”
電車や信号待ちで足を揺らしている
ストレッチが習慣化している
姿勢が自然に整っている(猫背や反り腰が少ない)
あぐらや横座りなど、楽な姿勢を選べる
◎ 柔らかい人の“休み方”
長時間同じ姿勢を避ける
湯船にしっかり浸かる
呼吸を意識して眠る
マッサージや整体など「委ねるケア」も取り入れている
◎ 柔らかい人の“メンタル傾向”
失敗しても切り替えが早い
「疲れた」と言える
感情が過剰にブレーキをかけない(気を遣いすぎない)
無理しないタイミングをわかっている
つまり、柔らかい人は「自分を気持ちよく保つ力」が高いのです。
体の柔らかさは“脳の余裕”につながる
人間の脳は、「今、自分がどんな姿勢でいるか」「体がどこにあるか」という“ボディマップ”を常に更新しています。
このセンサー(固有受容感覚)が鈍っていると、自分の疲れにも気づきにくくなる。
でも、体がしなやかに動いていれば、脳はそれを心地よく感じてくれる。
すると自然に「今の自分の状態」を把握しやすくなり、無理やストレスが蓄積する前に対処できるのです。
つまり、柔らかさとは「脳に余裕をくれるフィードバック」のようなもの。
体が動くと、心も動きやすくなる。
思考がかたくなったときは、体をゆらすことで“ほぐす”ことができる。
この感覚を知っているだけでも、疲れ方が変わってきます。
可動域は、習慣で変えられる
最後に大切なことを一つ。
柔らかい人が“生まれつき”柔らかいとは限りません。
むしろ、意識的に日常の中に“緩める時間”を持っているから、柔らかさが維持されているのです。
寝る前に5分だけストレッチ
トイレのたびに肩をまわす
湯船につかりながら股関節をゆらす
起きたときに足首をまわす
こうした小さな動きが、関節に「よしよし」と声をかけるような作用を生む。
毎日のちょっとした習慣が、「疲れにくい体」と「切り替え上手な心」を育てていくのです。
第4章|寒い季節に“動かせない体”が生む、意外な落とし穴
12月、1月。寒さが本格的になってくると、
「なんだか最近、体が重い」「疲れが抜けにくい」と感じることが増えてきませんか?
それもそのはず。
寒さが続く季節は、自然と“体を縮こませる習慣”が増えてしまうからです。
この章では、「寒さ」と「可動域」の関係、
そして冬特有の“体の動かなさ”が生む疲労の正体について、ていねいに掘り下げていきます。
寒いとき、人の体はどうなる?
寒い日は、誰でも無意識に体を縮めています。
肩が上がる
首をすくめる
手足が内側に寄る
筋肉がこわばる
これは、熱を逃さないための自然な反応。
でもこの“縮こまり”が続くと、血流やリンパの流れが悪くなり、結果として全身の疲労感につながってしまうんです。
とくに、股関節・背中・肩甲骨まわりが硬くなると、動き全体がぎこちなくなる。
そうするとエネルギー消費が増え、疲れやすさやだるさを生む──
これが冬の「なんとなく不調」の根本にあるメカニズムです。
寒さが“サボらせる筋肉”を生む
寒いと、つい動くのが億劫になります。
ストレッチをしなくなる
朝の支度がギリギリになる
階段よりエレベーターを選びがち
布団から出る時間が遅くなる
こうして「動かない」が積み重なると、筋肉の“サボりぐせ”がついてしまう。
とくに股関節まわりや、太ももの前側、背中の広い筋肉は、
「動かさないと硬くなる」性質が強く、どんどん可動域が狭まっていきます。
一見するとただの“運動不足”に思えるかもしれませんが、
このサボりぐせが「血行不良」「代謝低下」「自律神経の乱れ」などを呼び込み、
慢性的な疲労・冷え・不眠・肩こり・腰痛…とつながっていくのです。
冬に増える「隠れ疲労」の特徴
寒さによる“可動域の縮小”は、疲れを感じにくい「隠れ疲労」にも関係しています。
以下のような特徴、当てはまりませんか?
動き始めが重い(朝や外出時)
寝ても疲れがとれない
やる気が出ないけど、理由がわからない
眠気や頭の重さが続く
胃腸の調子が不安定になる
これらは、「動かさないことで起こる疲れ」です。
つまり、体を使いすぎたのではなく、“使わなさすぎて疲れている”状態。
「疲れてるから動けない」のではなく、
「動いてないから疲れてる」という逆転現象が、冬にはよく起こるのです。
冬こそ“関節ファースト”なセルフケアを
この季節こそ、「関節からゆるめる」ケアが効果的。
とくに意識したいのは、以下のポイント:
◎ 1. 股関節まわり
脚のつけ根をやさしくゆらす
ストレッチや軽い開脚で、筋肉を伸ばす
椅子に座ったまま片脚を上げてまわすだけでもOK
◎ 2. 肩甲骨まわり
両腕を後ろで組んで胸を開く
肘を曲げて上下にゆっくり動かす
壁に手をついて、背中をゆるめる
◎ 3. 足首・手首・首
回す/ゆらす/さする
お風呂で温めながら、関節を“ほぐすスイッチ”に
関節をゆるめることで、筋肉が安心して伸び、血行が回復。
これだけで、体の“疲れにくさ”がぐんと変わります。
冬の疲れは「がんばらない」ことで防げる
冬のケアで大切なのは、「ハードに動くこと」ではなく「やさしくゆるめること」。
小さく揺らす
じわーっと伸ばす
あたためる
ため息をつくように呼吸する
この“ゆるさ”が、冬の体にはぴったりなんです。
がんばらないケアこそ、関節にはいちばん効く。
そして、関節がゆるむと、筋肉が呼吸をはじめてくれる。
結果として「なんか疲れないな」と感じる日が、すこしずつ増えていきます。
第5章|「よく動く体は、疲れにくい」──関節の柔らかさが変える日常のしんどさ
関節が硬いと、なんだかいつも体が重たい。
朝起きてすぐ、顔を洗おうと前かがみになっただけで「うっ」となる。
靴下を履こうとして、なんだか一苦労。
電車のつり革に手を伸ばすのも億劫。
…これ、ただの“年のせい”とか、“運動不足”で片付けがちですが、じつは【関節の可動域】が関係していること、知っていましたか?
「ちょっとした動き」が疲れるのは、体がスムーズに動いていないから
関節が硬いということは、可動域が狭くなっているということ。
可動域が狭いと、日常のあらゆる動きに“無駄な力”がかかってしまうんです。
たとえば:
しゃがもうとしたとき、膝が曲がりにくい → 太ももや腰に余計な負担
上の棚に手を伸ばしたい → 肩が動かないから首が頑張る
階段を降りる → 足首の動きが悪くて踏ん張れず、太ももがパンパンに
こういう“代わりに頑張る筋肉”が、どんどん疲れを溜めていく。
つまり関節が硬いと、いつも「一人ブラック企業」みたいに、体のどこかが残業してるんです。
可動域が広がると、「体の使い方」がラクになる
関節がしなやかに動くようになると、まず感じるのが「疲れにくさ」。
呼吸が深くなって、姿勢もラクに保てて、歩き方にもムダがなくなる。
なにより──
靴下を座ってスッと履ける
振り向くときに「イタタ…」がなくなる
買い物袋を持っても、肩がこらない
こんなちょっとしたことが、ものすごく快適になるんです。
「しなやかな体=若々しさ」は本当だった
関節の柔らかさって、実は“見た目の若さ”にも直結します。
動きが滑らかな人って、それだけで若々しく見えますよね。
背すじが自然に伸びて、姿勢が良くて、歩き方も軽やか。
逆に、ガチガチの体は年齢より老けて見られがち。
よく動く体は、年齢より“快適さ”で差がつく。
関節の可動域は、年齢を言い訳にしない「ひとつの技術」とも言えそうです。
「ちょっと伸ばす」だけで、未来が変わる
ここで少し、やってみてほしい簡単な動き:
ベッドに座って、前屈。指がどこまで届く?
手を後ろに回して、左右の指先、つかめる?
仰向けで寝て、膝裏と床の間にスキマある?
これ、ぜんぶ「関節のしなやかさ」を教えてくれる動きなんです。
難しいストレッチや筋トレじゃなくて、まずは“気づくこと”からで十分。
お風呂上がりに、ちょっと股関節を回す。
寝る前に、腰をひねってストレッチ。
テレビを見ながら、足首をくるくる。
そんな“ちょい足し習慣”で、体ってゆっくり、でも確実に変わります。
日常の「めんどくさい」が減ると、気持ちも軽くなる
関節がよく動くと、面倒に感じていた動作が「ふつう」になる。
疲れにくいから、やりたいことをやる余裕が生まれる。
掃除が前より苦じゃなくなった
休日にちょっと遠出する気持ちになれた
冬の朝も、動き出すのがラクになった
可動域が広がると、人生の“選べること”が増えるんです。
それって、見た目や体重の変化以上に、人生の質を変えてくれることかもしれません。
まとめ|体が動くって、実は「心のゆとり」だったのかもしれない説。
気づけば、呼吸が浅くなっている日がある。
椅子から立ち上がるのが、ほんの少しおっくうな日もある。
そんなとき、「今日は疲れてるな」と思うのがふつうだけれど──
もしかしたらその正体は、“関節の硬さ”だったのかもしれません。
今回のコラムでは、肩や股関節、背骨、足首など、全身に張り巡らされた「可動域」の重要性に焦点を当ててきました。
でもこれは、決してアスリート向けの話ではなく、私たちの日常そのものに関係する話です。
・朝、軽やかに起き上がれるか
・家事や仕事の動作がスムーズか
・長時間座っても疲れにくいか
・階段を避けずに歩けるか
・寒い日でも縮こまらずにいられるか
そうした「ちょっとした体の余裕」があるだけで、心にも不思議な余裕が生まれる。
そしてそれは、単なる筋力の問題ではなく、“関節のしなやかさ”が大きく影響しているのです。
疲れやすい、だるい、動きたくない──
そう感じる日々の奥には、「可動域が狭くなっているサイン」が隠れていることがあります。
硬さは、体を守るための反応でもあるけれど、そのままにしておくと、心までも「守りの姿勢」に入ってしまう。
だからこそ、少しずつ動かしてみる。
回してみる。伸ばしてみる。
一気に柔らかくならなくても大丈夫。
「今日はちょっとだけ、いつもより動きやすいな」
そう思える日が増えていくことで、人生全体がしなやかに整っていく。
“疲れにくい体”とは、筋肉の強さだけでなく、関節の自由度が支えている。
そしてその自由さは、心のゆとりにもちゃんとつながっている。
可動域が広がると、行動も選択肢も増えていきます。
「やってみようかな」と思えることが増えたら、それだけで生きる景色がちょっと変わってくる。
その始まりは、たった5分のストレッチでもいい。
寝る前の深呼吸でもいい。
ゆるめること、動かすこと、休むこと──
そのどれもが、体と心の「可動域」を育ててくれます。
今日より少し軽やかな明日をつくるために。
関節を、ちょっとだけ気にしてみませんか?


