『冬、足がつらない人のこっそりケア』
- 京都ほぐし堂WEB

- 15 分前
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足がつるのは「寒さ」のせいだけじゃない?
夜中、突然ふくらはぎがビクンと硬直して、うめき声を上げながら飛び起きる──そんな経験、ありませんか?
それまでぐっすり眠っていたのに、いきなり襲ってくる鋭い痛み。しかも、こむら返りが来ると、痛みは一瞬では終わりません。数十秒から数分にわたって、じわじわと続くうずきに耐えることになります。うまく足の向きを変えても、今度は別の筋がつりそうになってまた悶絶……。この「夜中の地獄ループ」、けっこう多くの人が体験しているようです。
しかも、この「足がつる現象」、高齢者に限られた話ではないんですよね。
20代〜50代の働き世代でも、寒い季節になると「なぜか夜に脚がつる」「ふくらはぎがピクピクして眠れない」「足がひきつって目が覚める」といった悩みを持つ人が増えているのです。
では、なぜ寒くなると足はつりやすくなるのでしょう?
そして逆に、「足がつらない人」は、どんな習慣を持っているのでしょう?
このコラムでは、季節的な要因や筋肉の仕組みにも触れながら、「足がつらない体のつくり方」を深掘りしていきます。
「冷え」が足の筋肉に与える、意外なダメージ
まず、冬になると気温の低下とともに血行が悪くなります。
血液は、体の中で“酸素”と“栄養”を運び、同時に“老廃物”を回収して流してくれる存在。血行が滞るというのは、ちょうど水道のホースが凍ってしまったようなもので、流れが悪くなると、筋肉への酸素供給や疲労物質の回収がうまくいかなくなってしまいます。
特に、足の先・ふくらはぎは“重力の末端”です。
心臓から最も遠い場所にあるぶん、冬はとくに血行が届きにくく、冷えやすい。冷えることで筋肉もこわばりやすくなり、伸び縮みのバランスが崩れると、それが「つる(=異常な収縮)」という形で現れるのです。
つまり、「冷えてるけど大丈夫」ではなく、「冷えてる=つるリスク上昇」と考えてもいいくらいなんですね。
実は、足がつるのは“筋肉の誤作動”
そもそも「足がつる」とは、医学的には「有痛性筋痙攣」と呼ばれる現象です。
これは簡単に言えば、「筋肉が間違って縮みすぎてしまった状態」。そしてその誤作動は、神経の乱れや電解質のアンバランスから起こると言われています。
睡眠中や、運動のあと、長時間同じ姿勢を続けた後などに起こりやすいのは、筋肉が長く緊張状態になったり、疲労物質が溜まったりしているから。
だからこそ、ただ寒さを防ぐだけでなく、「筋肉がこわばらないようにする」「血流をよく保つ」「神経の興奮を鎮める」といったケアもセットで必要なんです。
“つらない人”がやっている、ちょっとした習慣とは?
では反対に、冬になっても足がつらない人には、どんな共通点があるのでしょう?
じつは、特別なストレッチや運動をしていなくても、
・冷えを予防するための「生活動線」
・日中に足を動かす「無意識のリズム」
・寝る前の「呼吸の整え方」
など、ちょっとした癖やルーティンが役に立っていることが多いんです。
足がつらない人ほど、意識していないようでいて、無意識に“足に優しい習慣”を選び取っているんですね。
冬こそ“ほぐしの知恵”を
12月の寒さは、ただ寒いだけではありません。
乾燥して筋肉が縮みやすく、動きたくなくなる日が増え、こわばりが溜まっていきやすい。
そんな季節だからこそ、体を温め、整え、眠る前にちょっとだけ自分の足と向き合うこと。
この小さな習慣が、“つらない夜”をつくってくれます。
本コラムでは、これから5つの章に分けて
・足がつる原因とメカニズム
・日常でできるケア方法
・体の使い方のコツ
・つらない人の特徴
・整体的な視点での体の整え方
を紹介していきます。
夜中にびくっと目が覚める前に。
「安心して眠れる足元」を、一緒に整えていきましょう。
第1章|なぜ足は「つる」のか?──筋肉・神経・冷えの三重奏
冬になると決まって足がつる。
しかも夜、眠っているときに限って襲ってくる。
──その理由、知っているようで、案外ちゃんとは理解されていないかもしれません。
この章では、そもそも足が「つる」とはどういう状態なのか、そしてどんな要素が絡んで“その瞬間”が訪れるのか。寒い季節との関連をふまえながら、少し深掘りしてみましょう。
「つる」とは、筋肉が“暴走”してしまう状態
まず結論から言えば、「つる=筋肉が異常に収縮してしまうこと」です。
通常、筋肉は私たちの脳からの命令(神経の信号)で、収縮(縮む)と弛緩(ゆるむ)を繰り返しています。たとえば歩くとき、つま先を上げる筋肉と、かかとを蹴る筋肉がバランスよく動いています。
ところがこのバランスが崩れ、筋肉が“収縮したまま戻らなくなる”と、「ビクッ」とつるわけです。
なかでもふくらはぎ(腓腹筋)がよくつるのは、
・重力に逆らって血液を戻す役割がある(疲労が溜まりやすい)
・立ったり座ったりの繰り返しで酷使される
・運動時や寒さでこわばりやすい
など、過酷な任務を担っているからでもあります。
神経と電解質の“誤作動”が引き金になる
もうひとつのポイントは、神経と電解質のバランス。
筋肉の動きは神経の電気信号によってコントロールされており、その信号はナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムといった“電解質”のバランスによって成り立っています。
このバランスが乱れると、
「筋肉、動け!」という命令が誤って「筋肉、ずっと縮んでろ!」になってしまう。
つまり、つる=“神経伝達の誤作動”。
これは睡眠中に多く起きやすく、
・長時間同じ姿勢で足が圧迫されている
・脱水によって電解質バランスが崩れている
・寒さで神経が過敏になっている
などの条件が重なると、筋肉が誤って“暴走”してしまうのです。
「冷え」が引き起こすダブルパンチ
ここで出てくるのが、「寒さ=冷え」の問題。
気温が下がると、まず血管が収縮し、血流が悪くなります。
血流が悪くなると、筋肉に必要な酸素や栄養が届きにくくなり、疲労物質もたまりがちに。
さらに、神経も冷えに弱く、低温状態になると伝達が不安定になります。
ここに加えて、「足先は心臓から遠い」という問題が乗っかります。
もともと冷えやすい足に、冬の寒さが加わることで、血液循環も神経の働きも落ち、筋肉は酸欠・栄養不足・過敏状態という三重苦に。
その結果として「ピキッ」とつるわけです。
つりやすい時間帯が“夜中”なのはなぜ?
実は、夜中に足がつるのは、冷えや神経だけが原因ではありません。
人間の体は夜になると副交感神経が優位になり、リラックス状態に入っていきます。
このとき筋肉の活動もゆるやかになりますが、
長時間同じ姿勢で眠ることで血流が滞りやすくなり、筋肉が軽く“緊張”状態のまま固定されてしまいます。
この「眠っている=体は休んでいる」というタイミングで、
実は筋肉と神経は“フリーズ状態”になっていることも多いのです。
そこに寝返りを打ったり、布団が冷えて足先が急に冷たくなったり、
ふとした刺激が加わった瞬間に、ピキッ!とつってしまうのです。
実際に足がつったとき、どうすればいい?
もし夜中に足がつってしまったら、慌てずに以下の対応をしましょう:
1. ゆっくり伸ばす
つった筋肉を“逆方向”に伸ばすことが基本です。
ふくらはぎなら、足先をゆっくり手前に引き寄せるようにしてストレッチ。
アキレス腱を伸ばすようなポーズでもOK。
2. 呼吸を整える
痛みによって呼吸が乱れると、緊張が強まり、筋肉の硬直が悪化します。
できるだけゆっくり、深く呼吸しましょう。
3. 冷えている場合はあたためる
使い捨てカイロや温タオルなどで、ふくらはぎや足裏を温めると、
血行が促進され、つりの予防にもなります。
こんな人は要注意? 足がつりやすい“生活傾向”
あなたの生活習慣の中に、以下のような項目はありませんか?
デスクワークや立ち仕事で、1日中同じ姿勢が多い
お風呂はシャワーだけ、湯船には浸からない
睡眠時間が短い or 質が悪い
水分をあまり取らない(特に冬場)
ストレスを抱えやすく、体の緊張が抜けにくい
これらはすべて「足がつりやすい下地」となってしまう要素です。
「冷えてるから」だけではなく、日々の体の使い方や、自律神経のバランスまで含めて、つりやすさは育ってしまうものなんですね。
足がつらない人は、気づかないうちに「整えてる」
逆に言えば、足がつらない人というのは、
・日中に無意識に足を動かすリズムがある(階段、つま先立ち、ストレッチなど)
・食事や水分補給の中で電解質バランスが自然に保たれている(味噌汁、梅干しなど)
・湯船にしっかり浸かって血行を保っている
・夜は照明を落としてリラックスする時間をつくっている
など、体を“ほぐす”習慣が自然に組み込まれています。
この「当たり前」の積み重ねが、夜中に足をつるかどうかを分けるのです。
第2章|足がつらない人がやっている、ちょっとした毎日の習慣
「足がつるのは仕方ない」と思っていませんか?
実は“つらない人”というのは、特別なことをしているわけではなく、
日々のルーティーンのなかで、知らず知らずのうちに「つりにくい体づくり」をしているのです。
この章では、足がつらない人がやっている日常の“ちょっとした習慣”を、
生活のシーン別にご紹介していきます。
朝:体の“スイッチ”を入れるストレッチ
朝起きてすぐ、足がつりそうになったことありませんか?
冷えた体でいきなり立ち上がったり、布団の中で伸びをした瞬間──
ふくらはぎや足の指に違和感が走ることがあります。
でも、つらない人はこの“朝の一瞬”の使い方がうまいんです。
● つらない人の朝のルーティーン:
目が覚めたら、まずは布団の中でつま先をゆっくり上下に動かす
ふくらはぎを手のひらで軽くさする
片膝を立てて腰をひねり、背骨ごとストレッチ
この「寝たままできるストレッチ」を習慣にすることで、筋肉と血流のスイッチが入りやすくなります。
特に寒い冬は、布団の中でちょっと動く“ウォームアップタイム”が効果的。
足先がポカポカしてきたら、ゆっくり立ち上がりましょう。
日中:こまめな「動き」と「水分」でつり予防
足がつる原因としてよく挙げられるのが、“血行不良”と“水分不足”。
でもこれって、デスクワークや立ちっぱなしの仕事だと、意識していないとすぐ陥ってしまう状態なんです。
● つらない人がやっている日中の工夫:
1時間に1回は立ち上がる or 座り直す
エレベーターではなく階段を使う
冬でもこまめに白湯やお茶を飲む
靴下のゴムをゆるめにして、足首を締めつけない
「かかとの上げ下げ」を信号待ちでこっそりやる
特に冬場は喉が渇きにくく、知らないうちに水分不足に。
体の水分が減ると、血液がドロドロになり、筋肉に酸素や栄養が届きにくくなってしまいます。
また、ふくらはぎは「第2の心臓」とも呼ばれるポンプ機能を担っています。
こまめに動かすことで、血流の滞りを防ぎ、つりにくい体をキープできます。
入浴:シャワー派は、足がつりやすい?
忙しい日や寒い日は、ついつい「シャワーだけでいいや」になってしまいがち。
でもこれ、足の健康にはちょっとマイナスなんです。
● 湯船につかると、なぜ足がつらなくなる?
体が芯から温まり、血流が促進される
副交感神経が優位になり、筋肉がゆるみやすくなる
冷えによる神経の過敏反応が抑えられる
つらない人の多くは、「湯船に10分以上つかる」習慣を持っています。
理想は38〜40度のぬるめのお湯で15分前後。
体が温まったあとに、ふくらはぎを軽くマッサージしたり、足首を回したりすることで、
筋肉の柔軟性が保たれ、夜中につるリスクがぐっと減ります。
夜:照明とスマホを“眠る準備”モードに
夜中に足がつりやすいのは、血行や冷えだけでなく、「自律神経の乱れ」も原因です。
就寝前にスマホやパソコンを見すぎていたり、照明が明るすぎると、交感神経が働きすぎてしまい、
リラックスモードへの切り替えがうまくいかなくなってしまいます。
● つらない人が夜にしていること:
照明を「電球色」のあたたかい色にする
寝る30分前にスマホを手放す or ナイトモードにする
足元に湯たんぽやレッグウォーマーを置いておく
寝る前のストレッチで足の緊張をゆるめる
布団に入る前に白湯やハーブティーを飲む
このように、足元を「温める」「ゆるめる」「安心させる」ことを意識するだけで、
夜中のこむら返りを防げる可能性が高まります。
冬だからこそ意識したい、“足もとの保湿”
意外と見落とされがちなのが、「足の皮膚と筋肉の乾燥」。
冬は皮膚が乾きやすく、それが筋膜の硬直や神経の敏感さにつながることがあります。
● 足裏・ふくらはぎの保湿ケア
お風呂あがりに、オイルやクリームでふくらはぎをマッサージ
足の裏を親指でぐっと押して刺激(足ツボ)
くるぶしやアキレス腱まわりをほぐすように触る
足元に「ふれてあげる」「あたためてあげる」「気にかけてあげる」
──それだけで、体の安心感が変わってくるんです。
第3章|足がつる人とつらない人の“食べ方と飲み方”の違い
「寝ていたら突然、ふくらはぎがつった…」
そんな夜中のこむら返りの原因に、「栄養バランス」や「水分補給」が深く関わっていること、ご存じでしたか?
この章では、「何を食べているか」「どう飲んでいるか」の習慣が、
足のつりやすさにどう影響するのか、具体的な食生活のコツとともに紹介していきます。
ミネラル不足が“つりやすさ”を呼ぶ
足がつる原因のひとつに、「筋肉の収縮を調整するミネラル不足」があります。
特に冬場は汗をかきづらいぶん、水分やミネラルの摂取を忘れがち。
その結果、以下のような栄養素が不足していると、足がつりやすくなる傾向があるのです。
● 足のつり予防に必要なミネラル
マグネシウム(海藻・ナッツ・バナナなど)
カリウム(アボカド・里芋・きのこ類)
カルシウム(牛乳・小魚・小松菜など)
ナトリウム(汗をかく人は意識して補給)
特に“冬の乾燥+冷え”で代謝が落ちていると、これらの吸収率も下がります。
冷え対策と同時に「地味な栄養素を丁寧にとる」ことがポイントになってきます。
「つらない人」が自然とやっている食事のクセ
食生活が整っている人は、意識せずとも“つりにくい体”を作っています。
彼らの習慣をのぞいてみると、案外まねしやすいものばかりなんです。
● 食事で気をつけていること
夕食に必ず汁物をつける(味噌汁・スープなどで水分+ミネラル)
“足の筋肉”を育てるたんぱく質を意識する(豆腐、卵、鶏肉など)
コンビニで買うときも「汁・おかず・主食」のセットにする
乳製品・海藻・きのこを日常的にとる
カフェインやアルコールの“利尿作用”を知って調整する
体内のミネラルは、コーヒーやお酒を飲みすぎると排出されやすくなります。
「飲んだら同時に白湯を1杯」が、“つらない人”のちょっとした工夫です。
飲み方のクセが、“夜中のこむら返り”を分ける
「冬は汗をかかないから、水分は減らない」と思っていませんか?
実は、**暖房や乾燥による“皮膚からの水分蒸発”**が意外と多い季節。
加えて、空気が冷たいと、のどの渇きにも鈍感になります。
● 冬でも意識すべき水分補給のタイミング
朝起きてすぐ、白湯を一杯(寝ている間の水分補給)
食事ごとに一杯の水やお茶を
入浴前後にコップ一杯ずつ(発汗対策)
就寝前にぬるめの水 or 白湯を少しだけ
「夜中にトイレが近くなるから飲みたくない」という人も多いですが、
その場合は寝る30分前に少しずつ飲んでおくのがコツ。
夜間の脱水と冷えのダブルパンチでつるのを防ぐには、「眠る前の一杯」が有効です。
コンビニ・外食派でもできる「つらない選び方」
毎日自炊できる人ばかりじゃないからこそ、外食やコンビニでも「ちょっと意識するだけ」で予防できます。
● コンビニなら:
おにぎり+味噌汁+サラダチキン
サンドイッチ+ヨーグルト+野菜スープ
パスタ+サラダ+ナッツ入りのスイーツ
● 外食なら:
丼ものより「定食」を選ぶ
汁物のあるメニューを優先
冬は鍋やスープ料理がおすすめ
とくに冬の夜は、体を温めながら水分をとれる汁物+たんぱく質+副菜の組み合わせが最強。
このバランスを“ざっくり覚えておく”だけでも、足の調子が大きく変わります。
食べものは「体の声を聞く」メッセージ
不思議なことに、足がよくつる時って──
無性に“しょっぱいもの”や“バナナ”が食べたくなったりすること、ありませんか?
それ、実は体がミネラルを欲しているサインかもしれません。
体の声に素直に従ってみることも、ひとつの予防法です。
第4章|寒さとこむら返りの関係を断ち切る冬ケア
足がつりやすくなる「冬」。
その根底にあるのは、冷えによる血行不良・筋肉のこわばり・自律神経の乱れです。
この章では、冬ならではの「つらないためのセルフケア」にフォーカスして、
日常で取り入れられる動き・温め方・リラックス法を紹介していきます。
寒い朝の“足がつりやすい”シチュエーション
冬は、特に朝が危険です。寝ていた体が固まりきっているうえに、部屋も冷えていて、
起きた瞬間にぐーっと伸びをしたら──足がつった!というケース、よくありますよね。
これは、
寝ている間の水分不足
布団から出た時の急な温度変化
いきなり筋肉を伸ばす無理な動き
などが重なった“こむら返りトリガー”です。
まずはこのリスクを減らす朝習慣から、整えてみましょう。
朝イチでやっておく「冬の足つり予防ルーティン」
以下は、起床後〜出勤までの間にできる簡単なルーティンです。
1. 起きたらすぐ「白湯を一杯」
→ 脱水気味の体にやさしく水分を補給。冷えもほぐれる。
2. 布団の中で「足首ぐるぐる」
→ 足を伸ばす前に、足首をゆっくり回して筋肉にスイッチを入れる。
3. 起き上がる前に「膝の裏・ふくらはぎを両手で揉む」
→ 血流促進と、こわばりほぐし。やさしくでOK。
4. 立ち上がる前に「つま先上下運動(10回)」
→ アキレス腱・ふくらはぎを軽く刺激。予防効果大。
5. 服を着る前に「足先の冷えチェック」
→ 足指が冷たい場合は、レッグウォーマーや靴下を活用。
この5ステップだけで、朝の“つりやすさ”はグッと軽減されます。
日中の「つり防止」あったかケア
寒い冬の外出やデスクワーク中も、以下のような工夫で「こわばりリスク」を下げられます。
● 靴下2枚重ねは逆効果の場合も
→ 締めつけすぎて血流を悪化させることも。
ウールのあたたかい靴下を1枚、またはシルク+コットンの重ね履きが◎。
● 靴選びも要注意
→ パンプスやかたいブーツは、足の筋肉が緊張しがち。
柔らかく、足の指が動かせる靴を選ぶと疲れにくくなります。
● 湯たんぽや電気毛布は“温めすぎ”に注意
→ 熱すぎると血管が収縮してしまうことも。心地よい温かさでじんわり、がベスト。
● カフェイン・アルコールでの“冷え増幅”に注意
→ 冬は特に、温かいお茶・ノンカフェイン飲料・スープ系を積極的に。
「寝ている時の冷え・つり対策」はこうする
とくに多いのが、寝ている間や起きかけに“いきなり足がつる”現象。
これを防ぐには、寝る前の仕込みが非常に効果的です。
● 寝具の見直し
足元だけが冷えるなら、足元ブランケットを追加。
湯たんぽは“足を温める”より“足元の空気を温める”感覚で。
電気毛布は寝る直前まで使用→就寝時はオフに。
● 就寝前のリラックスストレッチ(3分以内でOK)
仰向けに寝て、片足ずつ膝を立てる
足先を天井に向けて、ふくらはぎをやさしく伸ばす
足指を“じゃんけん”のように動かす(グー・チョキ・パー)
呼吸を深く、リラックス
→ ストレッチ後に白湯を一口だけ飲むと、さらに効果的です。
お風呂が“最強の冷え・つりケア”になる理由
シャワーだけで済ませていませんか?
足のこむら返りを防ぐには、「浸かる」ことが大事です。
● 冬におすすめの入浴スタイル
湯温は38〜40℃、10〜15分浸かるだけでOK
入浴中に足首回し&ふくらはぎのマッサージをする
精油やバスソルトを活用して、リラックスモードへ切り替え
上がった後は靴下やレッグウォーマーで保温
→ 湯船の中で筋肉をやわらかくしてから寝ることで、
“夜中のつり”は驚くほど減ります。
リラックスが、足を救う
足がつるのって、筋肉だけの問題じゃありません。
心が緊張していると、体も固まりやすくなるからです。
気温だけでなく、気持ちの冷えやこわばりを“ほどく”ためにも、
リラックスできる時間や空間を意識的に作ってあげること。
お気に入りの照明、ぬるめのドリンク、好きな香りのアロマ。
そんなささいなことでも、“つりにくい体”を育てる土台になります。
まとめ|「足がつらない人」が無意識にやっている日常の小さな選択
「足がつる」という現象は、たった数秒の痛みかもしれません。
けれど、その不意打ちは、まるで「体の不調の通知」のようなもので──。
自分の体と、もう少し丁寧に向き合うきっかけをくれる存在かもしれません。
このコラムでは、全5章にわたって「足がつらない人が無意識にやっているケア」について、さまざまな視点から紐解いてきました。
ここであらためて、日常の中で実践できる“つりにくい体をつくるための小さな習慣”を整理してみましょう。
1. 「冷えにくい体づくり」をベースに
朝の白湯習慣:寝起きの体に水分とあたたかさを
お風呂に浸かる:ぬるめの湯で副交感神経を優位に
冷えすぎない服装選び:足首・ふくらはぎ・お腹は温めて
お腹と足元の冷え対策:レッグウォーマー、腹巻、湯たんぽ活用
特に冬は、外気温だけでなく“体の中から冷える”感覚が強まるため、意識的に温める行動を。
2. 「筋肉のこわばり」をほどくケアを
ふくらはぎ・足裏・足指のほぐし習慣
仕事合間の軽いストレッチ(つま先上げ・かかと上げ)
寝る前の3分リセットストレッチ
足指じゃんけん運動(グー・チョキ・パー)
筋肉を固めたまま使うと、つりやすくなります。
「ゆるめる → 動かす」の流れを日常に取り入れるのがコツ。
3. 「脱水・ミネラル不足」を防ぐために
こまめな水分補給(特に朝と就寝前)
ミネラルを含む食材を意識(海藻・豆類・バナナなど)
汗をかく運動のあとはスポーツドリンクや経口補水液も◎
体内のバランスを保つためには、水分と電解質の補給が鍵です。
4. 「リラックス神経」を育てる習慣
寝る前は青白い光を避ける(スマホ・蛍光灯など)
オレンジ系の間接照明で副交感神経モードに切り替え
アロマ、音楽、お風呂、ゆっくり話す時間などを意識的に
心のこわばりは、体のこわばりに直結することを忘れずに
忙しさに飲み込まれると、どうしても「つりやすい体」になります。
体と心を“やわらかく保つ”ことが、最大の予防法です。
5. 「足と会話する」感覚をもってみる
足の状態は、意外なほど心の状態とリンクしています。
・冷えている
・張っている
・むくんでいる
・つりそうな予感がする
そんな変化に気づいたときは、「休んでほしい」という体からのサインかも。
たまには足の裏をさすって、「今日もがんばったね」と声をかけてみてください。
誰かにマッサージされるのももちろんいいですが、“自分で自分をいたわる”時間こそ、真のリラクゼーションです。
忙しい人ほど、足の声に耳を傾けて
こむら返りは、決して“ただの運動不足”だけで起きるものではありません。
栄養、睡眠、メンタル、冷え、緊張──さまざまな要因が複雑に絡んで、
ある日突然、体が「限界だよ」と足をつって知らせてくる。
でも、足がつる人ほど「ちゃんとがんばっている」人だったりします。
だからこそ、いたわってほしい。ケアしてあげてほしい。
そうすれば、足は必ず応えてくれます。静かに、でも力強く。
おわりに|「足がつらない未来」は、今日のひと手間から
1日1回、足を温める。
ふくらはぎを触ってみる。
水分をとって、光をやさしくする。
そのひとつひとつの積み重ねが、「つりにくい体」をつくっていきます。
この冬、あなたの足が笑っていられるように。
今日も、ほんの少しだけ、“やさしいケア”をしてあげてください。



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