top of page

『カメラを向けられると、いい顔ができない人へ』

親子撮影



え?“あの顔”は、自分じゃない・・(涙)



撮られるのが苦手、という人は多い。

とくに証明写真。あれはもう、「顔を固めてください」と言われているようなもの。

撮り終えた画面を見て、「誰、この真面目そうな人…」と感じた経験、きっと誰にでもあ離ますよね。


でも、楽しい旅行の記念写真でさえ、「なんか顔ひきつってない?」と気になってしまう。

目が笑ってない。口元だけが、形だけ笑っている。

SNSで“自然体”をアピールしたつもりの自撮りも、どこかぎこちない。


カメラを向けられた瞬間、私たちの顔には、ふだん見せない“別人”が登場する。

なぜでしょうか。

日常のなかで誰かと笑い合っているときは、こんな顔じゃないのに。

ふとした瞬間に映った自分の横顔は、あんなに自然だったのに。


写真になると、なぜ“いい顔”ができないの?

そもそも、“いい顔”ってなんなの?

モデルでもないのに、なぜ「ちゃんと写らなきゃ」と思ってしまうのか?


このコラムでは、

証明写真・記念撮影・モデル撮影──それぞれの「撮られる瞬間」に潜む緊張の質を比べながら、「表情が固まる理由」と「リラックスした顔の正体」について考えてみたいと思います。


ポイントは、「どう笑うか」ではなく、「どうゆるむか」。

表情は、気持ちの副産物。

無理に“いい顔”を作ろうとすると、なぜか一番遠い顔になる。

でも、心がほどけたときにだけ、ふとした“いい顔”が現れる。


モデルはどうやって自然に写っているの?

カメラが苦手な人が、少しでもラクに写るにはどうしたらいいの?

そして、「笑ってください」よりも効果的な魔法の言葉とは?


カメラを前にしたとき、自分らしい表情を取り戻すための、

ちょっとしたリラクゼーションの知恵を、ユーモアとともにお届けします。




目次







第1章|撮られる=評価される?緊張が顔を止める



写真に写るときの自分の顔を見て、

「これ、私……なのか?」と、一瞬フリーズしたことがある人。

きっと、あなただけではありません。


その顔はどこかよそゆきで、笑っているはずなのに目が真顔だったり、

口角がぎこちなくて、「笑顔に失敗した感」がにじみ出ていたり。

普段のあなたは、もっとやわらかくて魅力的なはずなのに、

レンズを向けられた途端、まるで“別人”に切り替わってしまう。


なぜ、カメラの前では、表情が固まってしまうのでしょう?

その理由をひとことで言うなら──

「撮られる=評価される」と、無意識に思っているから。




カメラのレンズは、なぜか“テスト会場”みたいな空気を連れてくる



不思議なもので、カメラを向けられると、それだけで少し緊張します。

自分の顔や姿勢が「記録」されるとわかっていると、

途端に意識のスイッチが入って、普段とは違うモードになってしまうのです。


ちょうど、あの感じに似ています。

「今から撮るよ〜」というひと言が、「テストはじめ!」に聞こえてしまう現象。


笑顔、まっすぐな視線、いい感じのあごの角度──

すべてに“正解”があるような気がして、

それを出せなかったら「この写真は失敗だ」と思ってしまう。


でも、そんなことを考えながら笑おうとするから、

表情筋が「あれ、どこに動けば?」と戸惑ってしまうのです。




「はい、笑って〜」は、意外とハードな指示



撮影中によく聞く「笑ってくださ〜い」という声。

これ、実はすごく難しい注文なんです。


だって、笑うって本来は「起きるもの」であって、「やるもの」じゃない。

その場が楽しいとか、安心してるとか、ふと気が抜けた瞬間に自然と出るのが笑顔。

なのに、“その気になっていない今この瞬間”に笑ってと言われる。


これはもう、冷蔵庫の前で「今すぐスイカを出して」と言われるようなもの。

「すみません…今日、笑いは冷蔵庫に入ってないみたいです」ってなります。


無理やり笑おうとすると、顔がこわばるのは当然です。

しかも、それを自分でうっすら感じてしまうと、

「やばい、ちゃんと笑えてないかも」とさらに焦ってしまう。


そうやって、笑顔のレイヤーを重ねようとするほど、

仕上がるのは“表情のミルフィーユ”みたいな、どこにも芯のない顔だったりします。




緊張した表情筋は、動かない



人の顔は、想像以上にメンタルとリンクしています。

とくに、カメラの前の「見られている感」は、

自律神経にじわじわとプレッシャーをかけます。


評価されているような気がすると、交感神経が優位に。

すると呼吸が浅くなり、手足が冷たくなって、

そして顔の筋肉が「とりあえず固まっておきますね」と動きを止める。


「いい顔したい」と思えば思うほど、

本来の柔らかさは、どこかへ行ってしまいます。


本当は、自分の表情を操ろうとするんじゃなくて、

表情が“出てくる余裕”を用意してあげるほうが、ずっと自然なんです。




“いい顔”をしている人は、表情がうまい人じゃない



モデルやタレントの人を見て、「なんでいつもあんなに写りがいいの?」と思ったことはありませんか?


答えは簡単で、彼らは“表情をつくるのがうまい”のではなく、

カメラの前で緊張しすぎないコツを知っているから。


つまり、“いい顔”ができる人というのは、

「顔がうまく使える人」ではなく、

「リラックスできる人」なんです。


むしろ「うまく写ろうとしない人」のほうが、

その人らしさがにじみ出て、魅力的だったりする。




📷 撮られることに慣れてないのは、当たり前



私たち一般人は、モデルでも芸能人でもありません。

カメラの前で堂々とできないのは、むしろ自然な反応です。


でも、「自分らしい顔で写りたい」という願いは、

きっと誰の中にもあるはず。

だからこそ、「表情をなんとかする」よりも、

“緊張をゆるめる環境”や“気分の整え方”に注目したほうが近道だったりするのです。





第2章|証明写真と記念写真は、なぜこんなに違うのか?



同じ「写真」なのに──

証明写真ではカチコチになり、旅行の記念撮影では気まずく笑い、

モデルのポートレートには、なぜか“いい顔”が写っている。


その違いはとてもシンプルで、

「撮られる目的」と「その場の空気」が、心の緊張度を大きく左右しているのです。




証明写真:正解を求められる緊張のピーク



  • 「きちんと写らなければ」という意識が強く働く

  • 無表情すぎてもダメ、笑いすぎてもダメ、という“見えない条件”が多い

  • 撮影の時間が短く、「今しかない」という焦りがある

  • 写った顔を長期間使い続けるという“重さ”が、表情をさらに固くする





記念写真:楽しい場面でも「ちゃんと感」を求めてしまう



  • 楽しさを残したい場面だからこそ、「いい表情を残したい」という欲が働く

  • ピース、チーズ、せーの……と、声がかかるほど「今が笑うタイミング」と身構えてしまう

  • 他人と並んで写ることが多いため、「場にふさわしい表情」や「足を引っ張らない」空気を読む

  • 撮る瞬間に自然な笑顔を出すのが難しく、顔が“かたち”になる





モデル撮影:「笑ってないのに、いい顔」に見える理由



  • 表情をつくるよりも、空気にゆだねる意識で写っている

  • 撮影の現場に“正解”がなく、「どんな表情でもOK」という安心感がある

  • カメラマンとの呼吸や距離感がリラックスを生む

  • 無理に笑っていないぶん、脱力と余白がにじみ出て“いい表情”に見える





緊張しやすい写真ほど、表情が固まりやすい



上の3つを比べると、こんな傾向が見えてきます:


  • 「正解がある」ほど、人の表情は固まりやすい

  • 「場の空気を読みすぎる」と、笑顔がかたちになる

  • 「自由でいい」と思える空気があると、自然な顔が出やすい



どんなに表情の練習をしても、

気持ちがガチガチでは、顔の筋肉はやわらかく動いてくれません。




だからこそ、「整える」のは“顔”より“気分”



もし、あなたが「写真が苦手…」と思っているなら、

それは「顔の問題」ではなく、「空気の問題」かもしれません。


撮られる前にちょっと深呼吸をしてみたり、

「ちゃんと写らなきゃ」ではなく「ちょっと楽しくいよう」と思うだけで、

表情は少しずつやわらかくなっていきます。



次の章では、

そんな「ゆるんだ顔」が生まれるメカニズムを、

リラクゼーションと身体の視点からもう少し掘り下げていきます。





第3章|リラックスしているとき、顔は勝手に“いい顔”になる




「施術後、お客様の顔が弛んで微笑んでいるのがうれしい」


これはリラクゼーションサロンで、何度となく耳にするセラピストのつぶやきです。

施術が終わったあと、緊張の解けた顔で佇み会話をするお客様のお顔はまさにリラックスしたとっても“いい顔”になっています。


特に何かをしていたわけではありません。

ただ、呼吸を整え、目を閉じて、からだをゆだねていた。

それだけで、顔には“いい感じの空気”がにじみ出てくるのです。




表情筋は「気持ちの通訳」



顔の筋肉は、非常に感情に正直です。

緊張していればこわばるし、怒っていれば眉間に集まるし、安心していればふわっと緩む。


言ってしまえば、顔は“気持ちの通訳”。

言葉で「大丈夫」と言っていても、顔だけは正直に「怖い」と語っていたりします。


だから、無理やり笑おうとしても、顔の筋肉は戸惑います。

気持ちが伴っていないと、表情筋たちも「え、今、笑っていいやつ?」と判断を迷ってしまうのです。




リラックス=副交感神経が主役になる時間



心と体が安心しているとき、人は副交感神経優位になります。

これはリラックスの神経とも呼ばれていて、呼吸がゆっくりになり、

筋肉の緊張がほどけ、血流がじんわりと広がっていく状態。


このとき、顔の筋肉も例外ではなく、

「がんばらなくていいんだ」と判断して、ゆるやかな表情へと変わっていきます。


施術中に寝落ちする寸前の顔。

お風呂上がりにぼーっとしている顔。

好きな人の話を聞いているときの顔。


それらには共通して、**力が抜けた“いい顔”**が存在しています。




リラックス中の顔は、緊張からの「脱け殻」じゃない



よく「気が抜けた顔」なんて言いますが、

それはただの脱力ではなく、安全のサインです。


警戒しているとき、人は自然と「顔を整える」方向に動きます。

でも、安心しているときは、“表情を守る必要がない”。


だから、心からリラックスしている人の顔は、整っていないのに魅力的なんです。

ふんわりとした口元、目元の力が抜けている感じ、

ちょっとぽかんとしていても、「この人、気分よさそうだな」と感じられる。


モデルの「笑っていないのに魅力的な表情」も、実はここにヒントがあります。




表情は“つくる”より、“育てる”もの



がんばってつくった笑顔は、鏡で見ると「なんかちがう…」となることが多いけれど、

リラックスした状態で自然に出た笑顔には、「これ、私らしいかも」と思える温度があります。


つまり、表情は一瞬でつくるものではなく、

その人の心地よさの中で、ゆっくり育っていくものなのかもしれません。


たとえば、こんなとき、いい表情は勝手に出てきます:


  • 誰にも見られていないと思っていた瞬間

  • 好きなものを眺めているとき

  • ふぅ〜っと肩の力が抜けたタイミング

  • 誰かと安心して話している時間



これらはすべて、“脱力”というキーワードでつながっています。




「いい顔しなきゃ」は、いったん置いてみる



写真を撮る前に、「いい顔しなきゃ」と思ったら、

まずはそれをそっと置いてみましょう。


代わりに、こう問いかけてみてください:


「今、自分の気分ってどうだろう?」
「ちょっと肩、上がってない?」
「深呼吸、してなかったな」

“顔を整える”のではなく、**“気分をほぐす”**ほうが、ずっと近道です。



次章では、モデルたちがどうやって“いい顔”を引き出しているのかを紐解きながら、

表情ではなく「空気をまとう」ことの大切さについて掘り下げていきます。





第4章|モデルは“いい表情”を作ってない。“いい空気”をまとっている




モデルの写真を見ていて、

「どうしてこの人は、笑ってないのに“いい顔”に見えるんだろう?」

と感じたこと、ありませんか?


表情はうっすら。目はどこか遠くを見ている。

口角も、上がってるのか上がってないのか、よくわからない。


でも、なぜかその顔には「なにか」がある。

そう、「空気」があるんです。

モデルは、“顔をつくる”よりも、“空気をまとっている”のです。




表情じゃなく、「状態」を整えている



モデルは、シャッターが切られる瞬間に、

「いい笑顔を出そう」とはあまり考えていません。


むしろ彼らが大事にしているのは、

自分がどんな状態でいるか、どんな気分で立っているか。


つまり、


  • 呼吸が浅くなっていないか

  • 肩に力が入っていないか

  • 足の裏がちゃんと地面についているか

  • 撮ってくれる人と、ちゃんと“空気”がつながっているか



そういった“内側の感覚”を整えることに、意識を向けているのです。




撮られることに「慣れている」わけじゃない



よく誤解されますが、モデルが堂々として見えるのは、

撮られることに慣れているからではなく、

撮られることを「がんばっていない」からです。


「よし、決めよう」「かっこよく写ろう」と思った瞬間、顔も身体もかたまってしまう。

それを彼らは知っているから、あえて“何もつくらない”ようにしているのです。


何もしないことで、“その人らしさ”が浮かび上がる。

これはモデルに限らず、誰にでも起こせる現象です。




写るのは「表情」ではなく「空気感」



写真というのは不思議で、

レンズを通して写るのは、顔そのものというより「雰囲気」だったりします。


同じ顔でも、


  • 緊張している顔は“張り詰めた感じ”が伝わるし、

  • 安心している顔は“余白のあるやわらかさ”がにじみ出る。



人の視線は、実はすごく敏感です。

見る側は、言葉ではなく、“感じ”を受け取っている。

だから、「口角の角度」よりも、「気の抜け方」が写真の印象を左右するのです。




いい写真は、ポーズよりも「余白」でできている



モデルの撮影現場では、よくこんなことが起こります。


「はい、そのままで…あ、いい空気ですね」

「今、ちょっとまばたきしたタイミング、すごくよかったです」

「ポーズは変えなくていいので、その気分だけ、続けてください」


不思議ですよね。

写真という“止まった世界”を撮っているのに、

求められているのは“動きのなかの気配”だったりするのです。


つまり、「かたち」よりも「気持ち」「流れ」が大切。

いい写真には、完璧なポーズじゃなく、“ゆるされた空間”が写っているのです。




誰でも「モデルの空気感」をまとうことはできる



これはプロだからできる技?

そう思うかもしれませんが、実はこの「ゆるんだ空気感」は、

誰でも手に入れられるものです。


たとえば、撮られる前に:


  • 背筋を伸ばすのではなく、背骨をストンと落とす

  • 「いい表情」ではなく、「いい気分」だけ意識する

  • 笑おうとするより、撮ってくれる人と一瞬でも目を合わせてみる



そうするだけで、写真に写る空気は少しずつ変わります。



「きれいに写りたい」

「いい顔を残したい」


その気持ちがあるのは、とても素敵なこと。

でも、それは“がんばってつくる顔”からではなく、

がんばらなくていい時間の中から生まれてくるのかもしれません。






第4章|モデルは“いい表情”を作ってない。“いい空気”をまとっている




モデルの写真を見ていて、

「どうしてこの人は、笑ってないのに“いい顔”に見えるんだろう?」

と感じたこと、ありませんか?


表情はうっすら。目はどこか遠くを見ている。

口角も、上がってるのか上がってないのか、よくわからない。


でも、なぜかその顔には「なにか」がある。

そう、「空気」があるんです。

モデルは、“顔をつくる”よりも、“空気をまとっている”のです。




表情じゃなく、「状態」を整えている



モデルは、シャッターが切られる瞬間に、

「いい笑顔を出そう」とはあまり考えていません。


むしろ彼らが大事にしているのは、

自分がどんな状態でいるか、どんな気分で立っているか。


つまり、


  • 呼吸が浅くなっていないか

  • 肩に力が入っていないか

  • 足の裏がちゃんと地面についているか

  • 撮ってくれる人と、ちゃんと“空気”がつながっているか



そういった“内側の感覚”を整えることに、意識を向けているのです。




撮られることに「慣れている」わけじゃない



よく誤解されますが、モデルが堂々として見えるのは、

撮られることに慣れているからではなく、

撮られることを「がんばっていない」からです。


「よし、決めよう」「かっこよく写ろう」と思った瞬間、顔も身体もかたまってしまう。

それを彼らは知っているから、あえて“何もつくらない”ようにしているのです。


何もしないことで、“その人らしさ”が浮かび上がる。

これはモデルに限らず、誰にでも起こせる現象です。




写るのは「表情」ではなく「空気感」



写真というのは不思議で、

レンズを通して写るのは、顔そのものというより「雰囲気」だったりします。


同じ顔でも、


  • 緊張している顔は“張り詰めた感じ”が伝わるし、

  • 安心している顔は“余白のあるやわらかさ”がにじみ出る。



人の視線は、実はすごく敏感です。

見る側は、言葉ではなく、“感じ”を受け取っている。

だから、「口角の角度」よりも、「気の抜け方」が写真の印象を左右するのです。




いい写真は、ポーズよりも「余白」でできている



モデルの撮影現場では、よくこんなことが起こります。


「はい、そのままで…あ、いい空気ですね」

「今、ちょっとまばたきしたタイミング、すごくよかったです」

「ポーズは変えなくていいので、その気分だけ、続けてください」


不思議ですよね。

写真という“止まった世界”を撮っているのに、

求められているのは“動きのなかの気配”だったりするのです。


つまり、「かたち」よりも「気持ち」「流れ」が大切。

いい写真には、完璧なポーズじゃなく、“ゆるされた空間”が写っているのです。




誰でも「モデルの空気感」をまとうことはできる



これはプロだからできる技?

そう思うかもしれませんが、実はこの「ゆるんだ空気感」は、

誰でも手に入れられるものです。


たとえば、撮られる前に:


  • 背筋を伸ばすのではなく、背骨をストンと落とす

  • 「いい表情」ではなく、「いい気分」だけ意識する

  • 笑おうとするより、撮ってくれる人と一瞬でも目を合わせてみる



そうするだけで、写真に写る空気は少しずつ変わります。



「きれいに写りたい」

「いい顔を残したい」


その気持ちがあるのは、とても素敵なこと。

でも、それは“がんばってつくる顔”からではなく、

がんばらなくていい時間の中から生まれてくるのかもしれません。





第5章|“いい顔”は気持ちが先。笑顔はあとからついてくる




写真を撮られるとき、

「ちゃんと笑えてるかな?」と不安になることってありますよね。

でも不思議なもので、本当に“いい顔”が写っているときって、

笑おうと思っていたわけじゃないことが多いんです。


たとえば、旅先で景色に見とれていたとき。

誰かの一言に、思わず吹き出した瞬間。

ふと、ぼーっとしていたところを撮られた写真。


「あ、これ、なんか私らしいな」と感じるのは、

気持ちがふっと軽くなった瞬間の顔だったりします。




📷 表情は「出す」ものじゃなく、「ついてくる」もの



“いい顔”をしようとする気持ちは、悪いものじゃありません。

むしろ、それだけ誰かにちゃんと見てもらいたい、

自分を素敵に残したいという願いのあらわれです。


でも、「いい顔=理想の顔」を出そうとすると、

どうしても表情がぎこちなくなる。


なぜなら、表情筋は“気持ちの電波”で動くから。

本心がリラックスしていないと、顔もどこか硬さが残ってしまいます。




「気分のスイッチ」を、撮影の前に押してみる



写真の前に“笑顔スイッチ”を押すのではなく、

まずは“気分のスイッチ”を入れてみましょう。


たとえば…


  • 撮る前に深く息を吸って、口からゆっくり吐く

     → 体の緊張をリセットして、表情に余白ができます。

  • 「どう見えるか」ではなく、「どう感じたいか」に意識を向ける

     → たとえば「楽しそうにいたい」「やさしい気分でいたい」など。

  • 鏡の前で“顔”を整えるより、まず“気分”を整える

     → 肩を回して、眉間の力を抜いて、「ま、どう写ってもOK」と思ってみる。



こうして“気分”が整うと、表情はあとからついてきます。

そして、それはちゃんと写真にも写ります。




「笑ってください」じゃなく、「大丈夫ですよ」のほうが効く



カメラの前でいちばん緊張がほぐれる言葉は、

「もっと笑って」じゃないのかもしれません。


本当に効くのは、

「そのままで大丈夫ですよ」とか、

「いい感じです、今のまま自然で」といった声かけ。


そんなふうに“受け入れられている”という感覚が、

顔を、気持ちを、そして空気をやわらかくしてくれます。


だから、もしあなたが人を撮る側になったときも、

「いい顔して!」ではなく、

「そのままで、すごく素敵です」と伝えてあげてください。

その言葉が、最高の“脱力スイッチ”になります。




最後に:あなたの“いい顔”は、もうちゃんとそこにある



写真が苦手でも、うまく笑えなくても、

“あなたらしい顔”は、きっとちゃんと日常のなかにあります。


それは、誰かに見せようとしたときではなく、

安心して気が抜けたとき。

好きなものに夢中になっていたとき。

ふと肩の力が抜けたとき。


カメラを前にしたその瞬間だけ、

少し深呼吸して、眉間をゆるめて、

「ま、今日の私はこれでよし」と思ってみる。


その気分こそが、

あなたの一番自然な、

そして誰かの心に残る“いい顔”を連れてきてくれるはずです。





まとめ|“いい顔”は、うまく写ろうとしないときに、そっと現れる



鏡の前でつくった笑顔より、

ふと誰かに呼ばれて振り返ったときの顔のほうが、

「私らしいな」と思えたりする。


人に見られることは、ちょっと緊張する。

レンズの向こうに“正解”を感じてしまうと、表情はぎこちなくなる。

でも、それはきっと誰でもそうで、

「いい顔ができない」のではなく、

「がんばってしまうから、いつもの顔じゃなくなるだけ」なんだと思います。


本当に“いい顔”というのは、

がんばって「出す」ものではなく、

安心ややさしさの中で「出てきてしまう」もの。

それは、深呼吸したとき、光がやわらかく差し込んだとき、

「もう気を張らなくていい」と心が判断したときにだけ、

そっと表情に現れます。


だから、次に誰かがカメラを向けたとき、

うまく笑おうとしなくてもいい。


まずは少しだけ、肩の力を抜いてみて。

呼吸に耳をすませてみて。

「どう写ろう」ではなく、「どんな気分でいたいか」を選んでみて。


きっとそのとき、

あなたの“いちばんあなたらしい顔”が、

自然とそこに浮かびあがってくるはずですよ。






コメント


京都ほぐし堂公式コンテンツ

京都ほぐし堂ロゴ
  • Instagram

©2010 ALL RIGHTS RESERVED BY IRC CO.,LTD.

bottom of page