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『犬派と猫派、癒しのかたちはこんなにも違う』

更新日:9月29日

犬と猫


人と動物──なぜ、わたしたちは「癒される」のか



犬のしっぽが全力でこちらを向いているとき。

猫が静かに、でも確かにそばに座ってくれているとき。

その小さなしぐさに、どうしようもなく癒されてしまうことがある。


わたしたち人間は、古くから動物と共に暮らしてきた。

仕事仲間として、生活のパートナーとして、そして何より、「言葉を超えた安心の存在」として

その関係はとても深く、理屈を超えて、心の奥に直接届くような安心感を与えてくれる。


中でも、「犬が好き」「猫が好き」という好みは、

ただの“動物の好み”というよりも、“自分がどんなふうに癒されたいか”という感情の傾向を表しているのかもしれません。


たとえば──

「元気づけてほしい」「一緒にいてほしい」「励まされたい」人は、犬派かもしれない。

「見守ってほしい」「気にされすぎたくない」「ひとりの時間が落ち着く」人は、猫派かもしれない。


そう考えると、犬派と猫派の癒され方の違いには、

自分の感情の処理のしかたや、ストレスとの付き合い方、そして人間関係の築き方まで、

さまざまな“心のかたち”が隠れているように思えるのです。


このコラムでは、犬派・猫派それぞれの癒し方に注目しながら、

自分がどんなときに、何によって、どう癒されているのかを見つめ直していきます。


あなたがどちら派であっても、また、どちらにもなりきれなくてもかまいません。

ここにあるのは、誰かと比べない、**「あなたにとっての癒しのかたち」**を見つけるための時間です。


目次




第1章|犬派に癒される人のこころ


── “つながる安心”を求める、やさしさと不安の混ざり合い



■ 愛されたい気持ちと、愛したい気持ち


犬と目が合ったとき、その目はまっすぐこちらを見ている。

嬉しいときは全身で飛びついてくれるし、落ち込んでいるときは心配そうに隣にいてくれる。

そのわかりやすい愛情表現に、思わず心がほどけてしまう。

「犬って、本当に人の気持ちがわかってくれるよね」──

そんな言葉が自然とこぼれるのが、犬派の人の世界。


犬がくれる癒しは、どこまでも**“双方向的な安心”**です。

自分が愛している存在から、ちゃんと「愛されている」と返してもらえることで、

深いところから「大丈夫」という気持ちが育っていく。


犬派の人が無意識に求めているのは、

「自分という存在を全力で受け入れてくれる相手」なのかもしれません。



■ 「つながっている」と感じることの強い安心感


犬といるとき、多くの人が言葉にするのが「ちゃんと通じ合えてる気がする」という感覚です。

それは、たとえ犬が話さなくても、


  • こちらの気配に反応してくれる

  • 呼びかけに応えてくれる

  • 目を見てくれる

  • 寄ってきて、触れてくれる

    といった**「反応があること」「気持ちをくみ取ってくれること」**によって感じられるもの。



これは、犬派の人の心にある「誰かとつながっていたい」という願いと、とても近い。

そして、そうしたつながりによって**“自分の存在が肯定される”**と感じられることで、深く癒されるのです。




■ 寂しがり屋なわけじゃない──“共鳴”が必要な人


犬派の人が犬に惹かれる理由は、「寂しがり屋だから」だけではありません。

本質は、**「気持ちを受け取ってくれる存在がいることで、自分自身を思い出せる」**という感覚にあります。


  • 話を聞いてもらえる

  • 表情に反応してもらえる

  • 隣にいて、同じ空気を感じられる



こうした“共鳴的な癒し”に安心を感じる人は、

普段から周囲との関係性の中で自分の心を確認している人が多い。

人と深く関わることができるぶん、傷つくこともある。

だからこそ、「大丈夫だよ」と示してくれる存在に、強く癒しを感じるのです。




■ 犬派に見られる“感情表現”の特性


犬派の人には、いくつか共通する感情的な特性が見られます:


  • 感情を出すことを怖れない(あるいは、出したいと思っている)

     → 喜怒哀楽をきちんと見せたい/わかってほしい

  • 関係性に対して誠実でいたいと思う

     → 相手との“絆”や“信頼”を大切にしたい

  • 「反応がある」ことが安心につながる

     → 返事・共感・リアクションがないと不安になる



これは、犬のコミュニケーションスタイルと非常に近い性質です。

犬は、相手の感情に敏感で、反応が早く、誠実で、そしてストレート。

だからこそ、自分の感情と似た波長を持つ存在として、深い安心を感じやすいのです。




■ 科学的に見ても“犬派”の癒しは双方向的


犬と触れ合っているとき、人間の体内では**「オキシトシン」というホルモン**が分泌されます。

これは「絆ホルモン」や「愛情ホルモン」とも呼ばれ、


  • ストレスを和らげる

  • 心拍や血圧を安定させる

  • 安心感を生む

  • 他者への信頼感を高める

    といった作用があります。


そして驚くことに、このオキシトシンは、犬側にも分泌されているのです。

つまり、「目を合わせる」「なでる」「一緒にいる」という行動が、

人間と犬の双方の間で同時にホルモン的な“癒しの循環”を起こしているのです。


この“お互いに癒している”という感覚こそが、犬派の人にとって何よりの安心につながります。


■ 犬派の癒しは“にぎやかな静けさ”


犬との癒しの時間は、「無音」ではありません。

息づかいや足音、しっぽの動き、存在感のある体温──

にぎやかだけれど、それがあるからこその安心感がある。


犬派の人は、「音のある静けさ」に癒されやすい傾向があります。

誰かと一緒にいながらも、沈黙ではなく“あたたかいノイズ”がそこにある状態。

たとえば:


  • 誰かと一緒にごはんを食べる

  • 会話をしながら散歩する

  • 声をかけながら寝落ちする



そんな日常の中に、犬のような癒しの原型があるのかもしれません。


■ 「励まされる」ことで元気になれる人


犬派の人は、「励まされる」ことによって回復するタイプでもあります。


  • 頑張ってるね!と言ってもらえる

  • 自分のことを見守ってくれている存在がいる

  • 応援されているという感覚がある



これは、犬がしっぽを振って出迎えてくれるような、存在を全肯定してくれる感覚

だからこそ、落ち込んでいるときや、ひとりで不安なときには、

「そばにいてくれる」「声をかけてくれる」「気づいてくれる」存在に、深く癒されるのです。



■ 犬派の癒しタイプはこんな人に向いている



  • 感情を分かち合いたい人

  • 共感・反応・リアクションに安心する人

  • 寂しさが苦手な人

  • ストレートな関係性を好む人

  • 応援や励ましに元気が出る人

  • 「一緒にいよう」が癒しになる人



犬派の癒し方は、“にぎやかで、あたたかい”もの。

孤独を遠ざけ、つながりの中で心を整える人に、ぴったりの癒し方です。


犬のような存在に癒される人は、

きっと、「ちゃんとつながっていたい」「ちゃんと伝わってほしい」と願っている人。


感情に素直で、思いやりがあり、

そして少し、不安を感じやすくもある。


でも、それは決して弱さではなく、人と人とのあいだにある“やさしい橋”のようなもの

その橋を渡るようにして、今日もあなたは、誰かと心をつなげているのかもしれません。





第2章|猫派に癒される人のこころ

── “ひとりでいるけど、ひとりじゃない”という静かな安心




■ 猫の「気ままさ」に癒される理由


猫と暮らしている人に、「どんなところが癒される?」と聞くと、こんな答えが返ってきます。


  • 「干渉されないのがいい」

  • 「勝手に生きてて、でもちゃんとそばにいる感じ」

  • 「無理にかまってこないのに、見守られてる気がする」

  • 「なんか“私の世界”を乱さないでいてくれる」



犬のように感情を全身で表現するわけではない。

呼べば来るとは限らないし、甘えたかと思えば、次の瞬間にはスッと離れていく。


そんな気まぐれさに、なぜか“ものすごく癒される”のが、猫派の人の特徴です。


猫の癒しとは、「そっとしておいてくれる存在」としてのやさしさなのです。




■ 自分のペースで癒されたい人へ


猫派に癒される人の根っこには、

「人に踏み込まれすぎたくない」という感覚があります。


それは決して冷たいわけでも、孤独が好きなわけでもなく、

“回復には一定の静けさが必要だ”という感覚に忠実なだけ。


  • いちいち気を使いたくない

  • 自分のことをたくさん説明したくない

  • そばにいてくれても、何も言わないでほしい



──そんな心のあり方を、猫は絶妙な距離感で受け止めてくれる。


猫の「気にしてないようで、気にしてる」感じ。

そばにはいるけど、あえて背中を向けて寝る感じ。

その不器用さや塩対応の中に、「ああ、わかってくれてるんだな」と感じられる。

猫派の癒しは、**“強い共感”ではなく、“そっと重なる静けさ”**にあるのです。




■ “ひとりの中に誰かがいる”という安心


猫派の人が安心する癒しの形は、「近づきすぎない関係」です。

それは、誰かと一緒にいたいという気持ちを否定するものではなく、

「自分の空気を守りながらつながっていたい」という感覚。


  • ひとりで読書しているときに、足元に猫が寝ている

  • 朝、顔を洗っていたら、後ろからじっと見ている

  • 何も言わないのに、そばにいてくれている



そんな風に、**“ひとりの時間の中に、もうひとつの存在がいる”**という安心。

この“さりげなさ”に癒される人は、外向的な関わりに疲れやすい傾向があり、

「何もしない時間に、そっと満たされたい」と願っていることが多いのです。




■ 猫派は「気を遣わない時間」に癒される


猫は、空気を読まない。

でも、空気を壊さない。

この独特のバランス感覚が、猫派の人の癒しのポイントでもあります。


人と関わるとき、無意識に気を遣ってしまう人。

「人といると楽しいけど、どっと疲れる」タイプの人。

そんな人にとって、猫の存在はとてもありがたい。


  • こっちが落ち込んでいても、無理に励ましてこない

  • 近づきすぎず、離れすぎない

  • 気まずくならない沈黙をくれる



猫派の癒しとは、まさに**「気を遣わなくていい時間」**の中にある安心なのです。




■ “やさしくされる”より、“干渉されない”ことが安心


猫派の人にとっての癒しは、「やさしくされる」よりも、

「尊重されている」ことの方が安心につながります。


犬のように寄り添ってこられると、少し息苦しく感じてしまう。

大丈夫?と何度も聞かれると、かえって疲れてしまう。

そんなときに、ただそばで黙っている猫の存在が、妙にありがたく感じる。


これは、猫派の人が「感情をひとりで処理したい」タイプだからかもしれません。


  • 感情をすぐに言語化できない

  • 自分の中で一度、整理したい

  • 頭で考える前に“感覚で感じたい”



そういった人にとっては、「触れられないやさしさ」の方が、よっぽど安心なのです。




■ 猫派の癒しにある“自己回復力”


猫の癒し方は、**“構わずに信じる”**という距離感です。


  • 今はそっとしておいたほうがいいと感じると、離れる

  • 相手が眠っていたら、そっと静かに歩く

  • 無理に関わらず、「いること」で支える



猫に癒される人は、この「見守られる感覚」に安心を感じる。

それは、「自分の感情は、自分で整えられる」と知っているからこそ。

つまり、猫派の癒しは**“自分で回復できる力”を信じることに寄り添ってくれる癒し**でもあるのです。




■ 猫派に見られる感情傾向


猫派の人には、以下のような傾向が見られます:


  • 自分の時間・空間を大切にしたい

  • 感情を言語化せずに、感覚で処理したい

  • 過干渉が苦手

  • 静かに寄り添う関係を好む

  • 「変わらずそこにいてくれること」に癒される



それは、自分のペースや気分を崩されたくないというだけでなく、

「自分を整える力を、自分の中にちゃんと持っていたい」という、

内的な強さと繊細さの同居でもあるのです。




■ 科学的に見た“猫派の癒し”のしくみ


猫派の人もまた、猫とのふれあいや共存を通じて、

オキシトシン(愛着ホルモン)を分泌しています。


特に注目されるのは、HSP(Highly Sensitive Person)傾向を持つ人における猫の癒し効果。


HSP気質の人は、刺激に敏感で、外からの情報や人間関係に疲れやすい。

そのため、静かな存在・無理のない関係性に安堵する傾向があり、

猫の「そっとしておいてくれる感じ」「気配で見守る距離感」は、まさに理想の癒し方なのです。



■ 猫派の癒しタイプはこんな人に向いている



  • 自分のペースを大切にしたい人

  • 感情に寄り添われるより、見守られる方が落ち着く人

  • 沈黙を共有できる関係を好む人

  • 「何もしない時間」に癒しを感じる人

  • 精神的な自立を大事にしている人

  • ひとりの時間の中で、誰かがそばにいることが安心な人



猫派の癒し方は、“そっとしておく”やさしさ。

過干渉でも放置でもない、ちょうどいい余白が、心の呼吸を助けてくれる。


猫に癒される人は、

きっと、「近すぎず、遠すぎず」「構いすぎず、気にしている」という関係に、深い安心を感じている人。


自分の気持ちを、自分の中でじっくり受けとめて、

ときに誰にも触れず、でも、誰かがそばにいるというだけで整っていく。


猫派の人にとって、癒しとは、**「干渉されずに、尊重されること」**なのかもしれません。

そしてその静かな関係は、今日も、あなたの心の奥で小さな安心を育て続けているのです。





第3章|犬派と猫派の癒され方のちがいは、感情処理のちがい


── あなたは「吐き出して癒す人」?それとも「抱きしめて癒す人」?




■ 癒しは「感情の後始末」のかたちでもある


私たちが「癒されたい」と思うとき、その背景にはたいてい感情の疲れがあります。


  • 不安や怒りが処理しきれず、心に残っている

  • 嫌なことを飲み込んだまま、言えなかった

  • 楽しかったけれど、気を遣いすぎてぐったりしている

  • 無理をしたことに気づかずにいたけど、あとからどっと疲れた



──そんな“感情の残りかす”のようなものが、体と心に蓄積されたとき、人は癒しを求めます。


そして、この「癒し方」は、人によってまったく異なります。

その違いの正体こそが、「感情処理のスタイル」──つまり、**“どうやって気持ちを収める人なのか”**という性質です。




■ 犬派:感情は「外に出す」ことで落ち着く


犬派の人は、感情をため込むよりも、誰かに話す・動く・表現することで整うタイプが多い傾向があります。


  • 話を聞いてもらうと落ち着く

  • 泣いたり笑ったりしてスッキリする

  • 感情を外に出すことで整理できる

  • 自分の気持ちに共感してもらうことで癒される



これは、感情を「循環」させたい気質とも言えます。

感情は溜めておけないし、うまく出せないとストレスが蓄積しやすい。


だからこそ、犬のように反応がある存在・言葉を返してくれる存在に安心しやすく、

「わかってくれる」「共にいてくれる」ことが、心のバランスを取り戻す鍵になるのです。




■ 猫派:感情は「静かに受けとめて、自分の中で消化する」



一方で猫派の人は、ひとりで感情を味わい、自分のペースで処理していくスタイルの人が多い。


  • 話すより、静かに考える時間がほしい

  • 感情の波を、そのまま抱えておきたい

  • 誰かに反応されると、かえって疲れる

  • 共感よりも、そっとしておいてくれる方が楽



こうした人にとっては、犬のような“熱量の高い寄り添い方”は、時に負担になります。

それよりも、「何も言わなくても、そこにいてくれる」存在に安心する。

感情処理の過程が**“内省型”で、“再起動”に時間がかかる**ぶん、静けさや距離感のある癒しが必要になるのです。




■ 吐き出して癒すか、抱きしめて癒すか



この章のタイトルにもあるように、癒しのスタイルは大きく分けて2つ:



🐾 犬派:「吐き出して癒す」



→ 外に出すことで、感情を整理/解放

→ アウトプット型の処理(話す・動く・表現)



🐈 猫派:「抱きしめて癒す」



→ 感情をそのまま“感じきる”ことで整える

→ インプット型の処理(静かに味わう・考える・忘れる)


この違いは、性格というより**“エネルギーの回復法”のクセ**のようなもの。

どちらが良い悪いではなく、「自分はどちらの癒し方が合っているか」に気づくことが大切です。




■ 外向型と内向型で見る“癒しの間口”の広さ



心理学の分類でよく知られる「外向型」と「内向型」の考え方も、犬派・猫派の癒し方の違いと関係があります。


  • 外向型:刺激を受けることで充電されやすい

  • 内向型:刺激を抑えることで整いやすい



犬派の癒しは、外向型的な特徴と相性がいい。

猫派の癒しは、内向型的な回復法に似ている。


たとえば、同じように疲れているとき──


  • 犬派の人は、「誰かと話して元気になる」「気分転換で外に出たい」

  • 猫派の人は、「ひとりで静かな場所にいたい」「好きな音楽や本にひたりたい」



というふうに、“刺激に向かう”のか“刺激から離れる”のか、癒しの方向性が真逆になります。




■ ストレスの処理方法にも出る傾向



犬派と猫派は、ストレスがかかったときの対処法にも違いが現れます。



🐾 犬派(発散型)


  • 運動や会話、アクションでストレスを流す

  • 「発散する場」が必要

  • 人に相談したり、声に出して整理することで回復





🐈 猫派(吸収型)


  • いったん飲み込んで、自分の中でゆっくり消化

  • 「ひとりになれる空間」が必要

  • 外に出さずに“処理しきる”までに時間をかける



だから、犬派は「忙しすぎて話す暇がない」とストレスがたまり、

猫派は「静かな時間がない」とストレスが爆発する傾向があります。




■ “癒しの再現性”にも違いがある



犬派・猫派では、「何度でも癒される行動」のパターンも少し異なります。


  • 犬派:誰かと会う・話す・笑うなど、“その場限りの刺激”でも毎回効果がある

  • 猫派:音楽・空間・香りなど、“自分だけの癒しルーティン”を持っていて、それを繰り返す



犬派の人は「新鮮な癒し」に反応しやすく、猫派の人は「安心できるパターン」に身を委ねる。

この差が、癒しの習慣の組み方にも影響してきます。




■ 自分の“整い方”を知ることが癒しのヒントになる



ここまで見てきたように、犬派・猫派の違いは、

その人の感情の処理スタイル=整い方のクセのようなものです。


だからこそ、どちらが良い悪いではなく──

「自分はどういうときに、どうやって癒されるのか?」

「どんな癒し方だと、うまく整うのか?」

を知ることが、ストレスに負けない日常をつくるヒントになります。




■ 自分の癒しタイプに合ったセルフケア例




犬派タイプにおすすめ:



  • 声に出して気持ちを整理する

  • 誰かと気軽なおしゃべり

  • 外に出て景色や人とふれあう

  • 身体を動かして感情を流す

  • 自分を全肯定してくれるような映画・音楽




猫派タイプにおすすめ:



  • 音・光・情報を少なくした空間で過ごす

  • 香りや音楽など五感で安心できるルーティン

  • ノートに書いて整理/書かずにぼーっと考える

  • 静かな読書/日記を書く

  • 見守ってくれる空気感のあるコンテンツ


癒され方のちがいは、感情のちがいではありません。

それは、“感情のしまい方のちがい”です。


犬派のように、外に出して風を通して整えるのか。

猫派のように、そっと抱えて温めて整えるのか。


あなたがどちらの癒しに惹かれるかは、

「どんな風に自分を回復させてきたか」を映す鏡なのかもしれません。


そしてその癒し方は、

“いまの自分がどんなふうに疲れていて、どんなふうに守られたいのか”を

そっと教えてくれているのです。





第4章|犬っぽい人・猫っぽい人といると落ち着く理由



── 人の中にも、犬や猫のような癒しがある




■ 人間関係にも「犬派・猫派」はある



「犬派」「猫派」という言葉は、動物に限った話ではありません。

誰かと接していて「この人、犬っぽいな」「猫みたいな人だな」と感じたことがある人も多いはずです。


犬っぽい人とは──

よく笑い、元気で、こちらの変化にすぐ気づいてくれるようなタイプ。

一緒にいると安心感があって、自分も自然体でいられる。


猫っぽい人とは──

静かで、必要以上に関わらず、でもいつも自分のペースを崩さずにいるタイプ。

そばにいるだけで落ち着く、不思議な存在感をもっている。


そして不思議なことに、自分が犬派か猫派かによって、癒される“人のタイプ”も変わることがあるのです。




■ 犬っぽい人の癒しは、“陽だまりみたいな存在感”



犬っぽい人には、次のような特徴があります。


  • 表情がわかりやすく、ポジティブな感情を出してくれる

  • 相手の変化に気づくのが早く、気遣いもストレート

  • 距離感が近く、励ましたり、応援するのが得意

  • 一緒に笑う・動く・しゃべることを通じて“つながる”人



つまり、言葉や行動によって相手を元気づける癒し型です。


たとえば──

落ち込んでいるときに、こんなふうに声をかけてくれる人。


「元気出して!」


「絶対大丈夫!」


「一緒にどっか行こ!」


「なんでも話してよ」


相手の気持ちを変えようとしてくれる“明るい力”に癒されるのは、

どちらかというと、外に出すことで整うタイプの人(=犬派)


犬っぽい人は、感情の代弁者になってくれる。

だから、感情をうまく言葉にできないときにも、そばにいるだけで少しずつ元気になれるのです。




■ 猫っぽい人の癒しは、“静かな肯定”



一方で、猫っぽい人にはこんな特徴があります。


  • 言葉よりも“気配”で伝えるタイプ

  • 必要以上に干渉せず、相手のペースを尊重する

  • 感情の起伏が穏やかで、そばにいるだけで落ち着く

  • 「何も言わないでいてくれる」ことが優しさとして伝わる



たとえば──

つらいとき、何も言わずにそばにいてくれるだけの人。

無理に聞き出さないけれど、そっと飲み物を差し出してくれるような人。


猫っぽい人は、“そのままでいていい”という空気ごと癒してくれる存在です。


このタイプに癒されやすいのは、内省的で繊細な猫派タイプ

話すことで気を遣ってしまう人、感情を消化するのに時間がかかる人にとって、

“何もしないでそばにいる”という関係は、何よりの救いになります。




■ 「誰といると落ち着くか」は、癒しスタイルのヒント



自分がどんな人と一緒にいると落ち着けるか──

これは、自分の癒しスタイルを知るうえで、非常に大きなヒントになります。



🐾 犬派寄りの人は:



  • よくしゃべってくれる人

  • 明るく励ましてくれる人

  • 返事やリアクションが大きい人

  • 外に連れ出してくれる人




🐈 猫派寄りの人は:



  • 詮索せず、そっとしておいてくれる人

  • 自分のリズムに干渉してこない人

  • 沈黙が苦にならない人

  • 一緒に“ただいる”時間をくれる人



あなたが「落ち着く」と感じる人は、自分の“整い方”に合った関わり方をしてくれる人なのかもしれません。




■ 「近すぎず、遠すぎない」距離感が心地いい理由



癒しとは、“相手との関係の中にあるもの”でもあります。

そして、犬派と猫派では「心地よい距離感」にも明確な違いがあります。


  • 犬派:関係性に密着して癒される

  • 猫派:関係性の“余白”に癒される



たとえば、犬派の人にとっての「優しさ」は“言葉で表現されるもの”。

「好きだよ」「応援してるよ」「いつでもそばにいるよ」など、言葉があって初めて実感できる安心感がある。


一方で猫派の人にとっては、「優しさ」とは“存在していることそのもの”。

言葉にしない関係、表情を交わさない時間に、かえって安心できる。

「伝えようとしてこないこと」が信頼感にすらなるのです。


この違いは、人間関係の築き方にも表れます。




■ 「癒される人の特徴」に注目してみる



あなたが「この人といると落ち着く」と感じるとき、

それはきっと、その人が“自分の整え方”に沿って接してくれているということ。


  • 無理にしゃべらなくていい

  • 泣いても怒っても、ちゃんと受け止めてくれる

  • 何も言わなくても、気持ちが軽くなる



その“落ち着き”の正体は、あなたが自然体でいられる関係性にあります。

それが犬っぽい人でも、猫っぽい人でも、

共通しているのは、「今の自分をそのまま置いておける場所」であること。




■ 「相手を癒す側」になったときのヒント



この章では「癒される側」としての自分を考えてきましたが、

もしあなたが、誰かにとっての“癒す側”になるなら──こんなことがヒントになるかもしれません。



犬派っぽい癒し方をしたいなら:



  • 相手の感情に共感してあげる

  • 話をしっかり聞く(リアクションも忘れずに)

  • スキンシップや目線など、愛情表現をストレートに

  • 不安なときは「そばにいるよ」と明言する




猫派っぽい癒し方をしたいなら:



  • 相手のペースを尊重する

  • 無理に話させない/質問しすぎない

  • ただ一緒にいるだけの時間を大事に

  • 沈黙や“何もしない”を心地よく受け止める



大切なのは、「相手の回復のリズム」に合わせること。

犬派・猫派の癒し方を知っておくと、その人に合った距離感で寄り添うことができるのです。


人の中にも、犬のような人、猫のような人がいる。

そして自分は、どちらの人といると落ち着くのか──

その違いを感じることは、**「どんな関係性が、あなたにとっての癒しなのか」**を知ることでもあります。


癒しとは、相手の形を通して、自分の心の形を知ること。


もしあなたが誰かといて、理由もなく安心できたなら、

それは、その人があなたの癒しのリズムと、どこかで重なっていたということ。


犬派でも、猫派でも、

その癒しのスタイルは、あなた自身の“感情の居場所”を静かに教えてくれているのかもしれません。




第5章|犬派・猫派を超えて、“癒しのかたち”を選び直す



── いまの自分に合う癒しは、いまの自分が知っている




■ 「犬派 or 猫派」は、ほんとうに“派閥”なのか?



私たちはつい、自分を何かに分類したくなる生きものです。

「文系か理系か」「インドア派かアウトドア派か」──

そしてこの話題においては、「犬派か、猫派か」。


けれど実際は、誰の心の中にも、犬っぽさも猫っぽさもある。

そしてその“癒され方”もまた、固定された好みではなく、変化する感情のかたちではないでしょうか。


  • 昨日は犬派だったのに、今日は猫派だった

  • 若いころは猫っぽい癒しが好きだったけど、最近は誰かに寄り添ってほしい

  • 人には明るく犬派っぽく振る舞っているけど、自分の癒しは猫寄り



──そんな風に、「どっちとも言い切れない自分」に気づく瞬間があるのです。




■ 癒しは“人生のタイミング”で変わるもの



癒しのスタイルは、ライフステージや環境によって変化します。



🕊 学生時代



  • 刺激や新しい出会いにワクワク

  • 誰かと一緒にいることが当たり前で、犬派的な癒しが心地よい




🌙 社会人初期



  • 疲れや孤独をひとりで抱えることが増える

  • そっとしておいてほしい猫派的な癒しを求めはじめる




🍃 中年以降・変化の時期



  • 子育て・介護・転職など、人生の大きな波に揉まれると

  • 癒しは“手軽さ”よりも、“静けさ”や“信頼”へとシフトしていく



そして、そうした変化を受け入れる柔軟さこそが、

「自分に合う癒しを、都度選び直す力」につながっていくのです。




■ 癒しとは、「自分との関係の結び直し」



癒しの本質は、外側から与えられるものではなく、**“自分が自分に許してあげるもの”**だと感じます。


  • わたしは、いま疲れてる

  • わたしは、いまそっとしておいてほしい

  • わたしは、いま誰かに受け入れてほしい



そんなふうに、自分の状態をちゃんと感じてあげて、

そのとき必要な癒しを、ちゃんと受け取らせてあげる。


犬派・猫派というラベルを超えて、

「わたしが、いま“どう癒されたいか”」に正直になること

それが、いちばん深い癒しなのかもしれません。




■ 「今日はこっち」の癒し方でもいい



癒しの正解は、“ゆらぎ”の中にあります。

たとえば──


  • 月曜日は誰とも話したくなくて、猫のように過ごしたい

  • 火曜日は同僚とランチをして、犬のように笑いたい

  • 水曜日は何にもしたくなくて、ベッドの中で静かにまどろむ

  • 木曜日はお気に入りの映画を観て、泣いて笑って回復したい

  • 金曜日は夜風の中を歩きながら、ただ自分に戻りたい



そんな風に、**「今日は犬っぽく」「明日は猫っぽく」**という切り替えができると、

癒しはもっとやわらかく、もっと自由になります。




■ 他人の癒し方を、まねしなくていい



SNSを見ていると、いろんな“癒しの正解”が流れてきます。


  • 森に行くと整うらしい

  • サウナが自律神経にいいらしい

  • ペットと過ごす時間が最高の癒しらしい



どれも素敵。でも、自分にはピンとこないこともある


そんなとき、「わたしは変なんだ」「感覚がおかしいのかな」と思わなくていい。

あなたの癒し方は、あなたしか知らないし、あなたの心と体が一番よくわかっている。


他人の癒しに触れるのは参考程度でいい。

「自分にとっての快適さ」を、信じてあげることが、癒しの第一歩です。




■ 「癒しは変わっていい」を許すこと



昔は効いていた癒しが、今はしっくりこないことがあります。


  • ひとり時間が大好きだったのに、最近は誰かといたくなる

  • 人と会うのが好きだったのに、今は静けさの中にしか癒しを感じない

  • 癒されたいのに、何にも反応できない



そんな自分に出会ったときこそ、大切なのは**「変わってもいい」を許すこと**です。


変わったのではなく、「いまのあなたに合う癒しが変わった」だけ。

癒しは、“固定された好み”ではなく、“今の自分を整えるための選択肢”なんです。




■ 「癒し」と「自分らしさ」は似ている



不思議なことに、人は「癒されている」とき、とても“自分らしく”なっている


  • 無理をしていない

  • 他人の目を気にしていない

  • 気持ちが正直で、穏やかで、力が抜けている



つまり癒しとは、「自分に戻ること」そのもの。

犬派でも猫派でも、あなたが癒しを感じる瞬間は、

きっと「これが自分だな」と、どこかで思えているはずです。


犬派か、猫派か。

そんな単純な選択では分けきれない、

私たちの心と癒しのかたちは、

もっとやわらかく、もっと移ろいやすいものなのだと思います。


昨日の癒しが、今日もしっくりくるとは限らない。

でも、それでいい。

その日の自分が望む癒しを、その日の自分にちゃんと選ばせてあげる。

それができたとき、癒しはもう、“自分との関係の再確認”になるのです。


あなたの中にある「犬っぽさ」も「猫っぽさ」も、

どちらもやさしく、あなたの感情を抱えて生きています。

癒しとは、その両方を、まるごと受け入れてあげることなのかもしれません。





まとめ|癒され方は、自分らしさの入り口になる



── 「何に癒されるか」は、「どんなふうに自分でいたいか」でもある



犬派か、猫派か。

ただの好みと思っていたその問いかけは、

じつは**「自分は、どう癒されたい人なのか」**を映し出す鏡でした。


にぎやかなつながりの中に癒しを感じる人。

静かな共存に安心を覚える人。

どちらでもなく、その日の気分や状況に合わせて変わる人。

──そのすべてに、正しさがあります。


大切なのは、「自分がどう癒されるか」を知っていること。

それはつまり、「自分がどんなふうに疲れているか」や、

「自分がどこで呼吸しやすいか」に気づくことでもあるからです。


癒しとは、誰かが与えてくれるものではなく、

“自分のために、自分が選ぶもの”


だからこそ、犬派でも猫派でも、あるいはそのどちらでもなくても、

あなたにとって心がふっと軽くなる瞬間があれば、それで十分です。


たとえば、

笑顔で迎えてくれる存在に癒される日もあれば、

ただ黙ってそばにいてくれる空気に救われる日もある。

「今日は犬っぽく」「明日は猫っぽく」──そんな自由さの中に、

そのときの“自分らしさ”が、そっと顔を出してくれるかもしれません。


癒され方は、自分らしさの入り口。

「何に癒されるか」を知っていることは、

あなたが自分自身にやさしくなれる準備が、すでに整っているということです。


今日も、心と体がほっとできる場所へ。

犬でも猫でも、誰でもない“あなた自身”の癒しの形を、これからも見つけ続けていけますように。

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