雨の日に“だるい”がなくなる、梅雨のセルフケア術
- 京都ほぐし堂WEB
- 6月2日
- 読了時間: 23分

その“なんとなくの不調”、もしかしたら梅雨のせいかもしれません
雨が続くと、どうも体が重い。
朝起きてもすっきりしないし、やる気も気分も、どこかずっと曇りがち。
「なんだか調子が出ないな…」
そんなふうに感じている方へ。
それ、気のせいでも怠けでもなく、**梅雨という季節そのものがもたらす“揺らぎ”**かもしれません。
このコラムでは、
☔ 気圧・湿度・光の不足が体に与える影響
👐 五感を使って心と体を整える方法
🛁 サロンやセルフケアでできる“梅雨だる”対策
🌿 静かな雨の日を、自分を癒すチャンスに変えるヒント
を、やさしい言葉で、1つずつご紹介していきます。
雨だからこそできる整え方。
今日もがんばるあなたに、そっと届きますように。
──「なんとなくしんどい」は、体の正直なサインかもしれません。
──“低気圧”と“湿気”が、体と心に与える影響をやさしく解説。
──耳・鼻・肌・目・呼吸。感覚からリセットする、やさしい習慣。
──今日からできる簡単ケア。ふくらはぎ・白湯・ホットタオルなど。
──足・首・頭・お腹…不調に合わせた、癒しの施術ガイド。
──朝〜夜まで。整える“1日の流れ”をやさしく提案。
──がんばらなくていい。ただ、整えるだけでいい日があってもいい。
第1章|梅雨が来ると、なんでこんなに体が重いの?
朝、カーテンの向こうに広がるのは、くすんだ空。
雨粒が窓を静かに叩く音を聞きながら、「あと5分だけ…」と二度寝したくなる季節、それが梅雨です。
起きても体が重い。
頭もなんとなくぼーっとして、気分までどんより。
仕事に行かなきゃ、やることは山積み──それでも、気持ちと体がついてこない。
そんなとき、多くの人がこう思ってしまいます。
「だらけてるだけかな」「やる気が足りないのかも」。
でも、それは違います。
この“だるさ”や“気分の沈み”には、ちゃんと理由があるんです。
梅雨は、ただの季節の変わり目ではなく、心と体に静かに負担をかけている時期なのです。
■ 「なんとなくだるい」を、放っておかないで
梅雨は、1年のなかでも特に体調を崩しやすい時期。
でもその不調は、風邪のようにわかりやすく出るものではありません。
症状としてはこんなふうに、曖昧で目に見えにくいものが多いのです:
• 起きられない/眠い
• 体が重い、やる気が出ない
• 頭が重い、ぼんやりする
• むくみやすい
• 気分が不安定
• お腹の調子が悪い
どれも「病気」ではないかもしれませんが、だからといって**“何もしなくていい”わけではありません。**
この時期に感じる不調は、自律神経や体のめぐりに関係している“隠れ疲労”のようなものなのです。
■ 自律神経は気圧と湿度に左右されやすい
私たちの体には、交感神経(活動モード)と副交感神経(リラックスモード)という2つのスイッチが備わっていて、
この切り替えを担当しているのが「自律神経」です。
ところが、梅雨のように低気圧が続いたり、湿度が高くなったりすると、体の調整スイッチが乱れやすくなります。
低気圧になると、空気中の酸素量がわずかに下がり、体が“だるモード”に傾きやすくなります。
副交感神経が優位になるのは悪いことではありませんが、日中ずっとボーっとしてしまう、集中力が続かないなどの不調につながることも。
そして、湿度の高さは体内の「水分の巡り」に影響を及ぼします。
汗が蒸発しにくくなり、余分な水分がたまりやすくなることで、むくみや重だるさ、冷え、胃腸の不調が起きやすくなるのです。
■ “雨だる”の正体は「循環の滞り」
梅雨のだるさを引き起こしているもの、それは体内の循環が鈍っている状態だと言えるでしょう。
巡りが悪くなると、血液やリンパの流れもにぶくなり、老廃物がうまく排出されにくくなります。
特に影響が出やすいのが「足まわり」。
湿気で脚がむくんだり、だるくなったりした経験がある方も多いのではないでしょうか。
ふくらはぎは“第二の心臓”とも呼ばれていて、ここが滞ると全身の疲労感に直結します。
また、血流がにぶくなることで脳にも酸素が届きづらくなり、頭が重い・集中力が低下する・イライラしやすいといったメンタル面の変化も現れます。
■ 光不足が“こころの栄養不足”に?
もうひとつ見逃せないのが、「日照時間の短さ」です。
梅雨の時期は、晴れ間がなかなか出ません。
太陽の光を浴びる時間が減ることで、セロトニンという“しあわせホルモン”の分泌が減少してしまいます。
セロトニンは、心の安定や前向きな気分を保つのに欠かせない存在。
このホルモンが不足すると、気分が沈みやすくなる、イライラする、不安を感じやすくなるといった心の不調が出てきやすくなります。
「最近なんとなく元気が出ない…」
それは、心が光を欲しているサインかもしれません。
■ “だるい自分”を責めないで
梅雨の体調不良で一番よくないのは、**「自分を責めること」**です。
やる気が出ない、朝起きられない、感情のコントロールがうまくいかない──
それらはすべて、「弱さ」ではなく、「体が適応にがんばっている証拠」。
「今日は雨だから、ゆるめのモードでいこう」
「無理しないことも、整えるうちのひとつ」
そんなふうに、自分に優しくする視点を持つことが、梅雨を元気に乗りきる第一歩になります。
■ 梅雨と上手に付き合うヒントは“気づくこと”
この時期の不調は、放っておいても自然に消えるとは限りません。
むしろ、「ちょっと気づいて」「整えることを少し意識して」過ごすことが大切です。
このあとの章では、
• 気圧・湿度・自律神経のつながり
• だるさに効くセルフケア
• サロンでの癒し活用法
• 雨の日の心の整え方
などを、ひとつひとつ丁寧にご紹介していきます。
この梅雨が、少しでも軽やかに過ごせますように。
第2章|気圧・湿度・自律神経の意外な関係
梅雨になると、「なんとなく不調」が続く。
体が重くて、やる気が出ない。
でも風邪ではないし、熱もない──そんな“つかみどころのない不調”は、
もしかすると、「気圧」や「湿度」によって自律神経が乱れているサインかもしれません。
なんとなくで終わらせてしまいがちなこの体の揺れ。
でも、しくみを少しでも理解できると、
「今、私は悪いわけじゃない」と思えて、気持ちがすっとラクになるものです。
この章では、“梅雨だる”の正体をもう一歩深く掘り下げていきましょう。
■ そもそも「自律神経」ってなに?
私たちの体には、「自律神経(じりつしんけい)」という
自分の意志とは関係なく働いてくれる神経があります。
たとえば、寝ている間に心臓が動いていたり、呼吸が自然にできたり、
汗をかいたり、内臓が動いたりするのは、すべてこの神経のおかげ。
自律神経には大きく分けて2種類あり、
● 交感神経(活動モード)
● 副交感神経(休息モード)
が、バランスを取りながらスイッチのように切り替わっています。
日中の活動中は交感神経、
夜やリラックス中は副交感神経が優位になる──
そんなふうに、私たちの体を一日中コントロールしてくれている存在です。
■ 気圧が変わると、なぜ体調に影響が出るの?
梅雨時期は、低気圧が長く続くのが特徴です。
実はこの「気圧の変化」こそが、私たちの体にとっては大きなストレスになります。
耳の奥にある「内耳(ないじ)」という場所が、
気圧の変化を感じ取るセンサーの役割をしていて、
気圧が急に下がると、内耳から脳に「非常事態かも!」という信号が送られるのです。
すると自律神経は、それに対抗しようと交感神経を強く働かせます。
ところがこの緊張状態が長く続くと、
● 頭痛
● 吐き気
● めまい
● だるさ
● 疲労感
といった症状が出やすくなるのです。
いわゆる「気象病」とも言われるこの反応、
敏感な人ほど、天気と連動して心や体が大きく揺れ動いてしまいます。
■ 湿度が高いと「水の巡り」が滞る
気圧だけでなく、湿度の高さも侮れません。
空気中の水分が多いと、汗がうまく蒸発できなくなります。
すると体の中に余分な水分がたまり、
・むくみ
・冷え
・消化不良
・だるさ
などを引き起こしやすくなります。
東洋医学では、湿気によって体の中に「湿(しつ)」がこもるとされ、
それが“重だるさ”や“内臓の動きの低下”につながるとも考えられています。
足がむくみやすい、手足が冷える、顔がほてる──
そんなときは、巡りがにぶっているサインかもしれません。
■ 自律神経が乱れると、どうなる?
気圧と湿度のダブルパンチで自律神経が乱れると、
「交感神経」と「副交感神経」の切り替えがうまくいかなくなります。
日中ずっとボーっとしたり、
夜なのに頭が冴えて眠れなかったり、
理由もなくイライラしたり、泣きたくなったり──
そうした“アンバランス”が続くと、
本来の回復力や免疫力も低下してしまいます。
つまり、梅雨の不調は「今つらい」だけではなく、
そのまま放っておくと慢性的な疲れや不眠・不調の悪循環に陥ってしまうことも。
だからこそ、「気圧が低い日は調子が崩れるかも」と、
自分のリズムを“事前に”意識しておくことが大切なんです。
■ 心まで曇る理由は「光不足」と「セロトニン」
梅雨の時期、なんとなく気分が沈みやすい…
それには、「光不足」も関係しています。
脳内には「セロトニン」という“幸せホルモン”が存在し、
これは朝の光を浴びることで活性化します。
しかし、梅雨の間は日照時間が短く、
朝になっても薄暗かったり、ずっと曇りや雨だったり──
するとセロトニンがうまく働かなくなり、
● 不安感
● イライラ
● 無気力
などのメンタル不調が出やすくなるのです。
■ “気のせい”ではないから、気づいてあげて
「だるいけど、理由がわからない」
「気分が上がらないのは、自分が弱いから?」
そう思ってしまう人ほど、がんばり屋さん。
でも実は、梅雨の気象条件はそれだけ体にとって大きなストレスになっているのです。
だからこそ大事なのは、「気のせい」にせず、
「体ががんばってるな」「ちょっと休ませてあげようかな」と、
自分をいたわる気づきをもつこと。
知識があるだけで、
「あ、今日は気圧が低いからだな」と納得できるようになります。
それだけでも、気持ちはぐっとラクになりますよ。
第3章|雨の日は“水の音”が癒しになる?五感を整える知恵
しとしとと降る雨。
屋根に落ちる粒のリズム、アスファルトを叩くやさしい音、
傘に当たって跳ねる水の跳ね返り。
「雨の音って、なんだか心地いい」
そんなふうに感じたこと、ありませんか?
梅雨どきに感じる体の不調や気分の落ち込みは、
“外からの影響”だけでなく、“五感の疲れ”も深く関係しています。
この章では、**雨の日だからこそ癒しに変えられる「五感の整え方」**についてご紹介します。
■ 「耳」が疲れると、心もざわつく?
人は、意識していない時間にも常に音を感じています。
テレビやスマホの通知音、カフェや電車のざわめき、職場の会話、エアコンの機械音…
現代の生活は、静かなようでいて、実はとても“音が多い”のです。
とくに雨の日は、室内にこもりがちになり、静寂を感じるはずなのに、
逆に音の情報に敏感になってしまう人もいます。
そんなときにおすすめしたいのが、「雨の音に耳を澄ませること」。
雨音は、自然のリズムで繰り返される「1/fゆらぎ」という特性を持っており、
これは小川のせせらぎや波の音、木々が揺れる音と同じく、心を落ち着かせる効果があるとされています。
お気に入りの雨音を録音してイヤホンで流したり、
静かな部屋で窓を少し開けて“本物の雨音”に耳を傾けたり──
不思議と心がスーッと落ち着いてくる瞬間があります。
■ 「香り」は、気分を切り替えるスイッチ
嗅覚は、五感の中でも脳に一番ダイレクトに働きかける感覚。
アロマやお香、湯上がりのシャンプーの香りにふっと癒されたこと、ありませんか?
梅雨のじめじめした空気の中では、
空間の“重たさ”や“こもり感”が、無意識のストレスになります。
そんなときは、お気に入りの香りをひとつ。
たとえば:
• 柑橘系(ベルガモット、グレープフルーツ):気分を明るくリフレッシュ
• ラベンダー:緊張やストレスの緩和
• ヒノキ・サンダルウッド:心を落ち着かせる
ハンカチに1滴、アロマストーンを机にひとつ、
あるいはお風呂の時間にオイルを1滴。
香りは、その瞬間から空気を変えてくれる、心のルームスプレーのような存在です。
■ 「触れる」という行為が、自律神経を整える
手を洗うときのお湯の感触。
お気に入りのタオルの肌ざわり。
カップから伝わる飲み物の温度。
リラックスの鍵は、実はこうした**“触覚”の心地よさ**にあります。
梅雨の時期、自律神経は少しずつ疲れていきます。
そんなときは、**「自分の体をやさしく触れてみる」**という習慣をおすすめします。
たとえば、
• 手のひらで、胸のあたりを押さえて深呼吸
• ホットタオルを首の後ろにあててみる
• 足の裏をほぐしてみる
“手を当てる”だけでも、副交感神経が働きやすくなり、呼吸が整ってきます。
心がふわっとやわらかくなるのを感じるはずです。
■ 「光」と「色」は心を照らす
梅雨は、光が少ない季節。
窓の外は曇天、部屋の中もなんとなく暗く、気分まで落ち込みがちになります。
そんな日こそ、**「あえて光と色を取り入れる」**意識を持ってみてください。
たとえば:
• 朝の時間帯に、カーテンを大きく開ける
• 間接照明で部屋にあたたかさを加える
• 明るい色の服やタオル、小物を選ぶ
• スマホの待ち受けを“晴れ”や“光”を感じる画像にしてみる
“視覚からの情報”は、思っている以上に感情に影響を与えます。
明るい色を見ると、脳内ではドーパミンなどのポジティブなホルモンも出やすくなります。
■ “感覚を癒す”という整え方
雨の日に起きる不調は、
「気圧や湿度」などの気象だけでなく、
「感覚が疲れている」ことから来ていることもあります。
そんなときは、何かを“しよう”とするよりも、
自分の五感にやさしいものを“そっと添える”くらいがちょうどいい。
耳には雨の音
鼻には好きな香り
肌にはやわらかい布
目にはやさしい光
口にはあたたかいお茶
それだけで、
あなたの心と体はふっとゆるみ、
「よし、今日も大丈夫かも」と思える一歩が生まれます。
第4章|湿気に効く!体をゆるめるセルフケア5選
雨が続くと、空気も気分もどこか重たい。
それだけでなく、体の重さやだるさを強く感じることが増えるのが、梅雨の特徴です。
「ちょっと動いただけで疲れる」
「なんだかむくみがひどい」
「冷えてないはずなのに、足がだるい…」
こうした不調には、湿気によって滞りやすくなった体の“めぐり”を整えることが鍵になります。
この章では、梅雨のだるさや重さをやさしく手放すために、
“今日からできる、やさしいセルフケア”を5つご紹介します。
① ふくらはぎを「下から上へ」流すだけ
湿気でむくみやすくなるこの時期、まず整えたいのは脚のめぐり。
特に「ふくらはぎ」は“第二の心臓”とも言われる大切な部位です。
やり方は簡単。
1. 両手で足首を包むように持つ
2. そのまま膝の裏まで、やさしく撫で上げる
3. 片脚3〜5回ほどを目安に、反対側も同じように行う
強く押す必要はありません。
「流す」「めぐらせる」イメージで、呼吸を止めずに行ってみてください。
ポイントは、お風呂上がりなど血流が良くなっているタイミング。
5分で、足がすっと軽くなるのを感じられるかもしれません。
② 「お腹をあたためる」と心もゆるむ
体が重たいと感じるとき、意外とお腹が冷えていることがあります。
特に梅雨は、湿度と気温の差で内臓が冷えやすい季節。
冷えたお腹は、消化力や免疫力の低下にもつながります。
そこでおすすめなのが、「湯たんぽ」や「温めるカイロ」でのお腹ケア。
・みぞおちの少し下(おへそのあたり)
・または下腹部(丹田と呼ばれる部分)
に数分当てるだけで、体全体がじんわり緩んできます。
気持ちもホッとして、呼吸が深くなっていくのを感じるはずです。
③ 「ホットタオル首まくら」でゆるめる夜
眠れない夜、首や肩がなんとなくこわばっていませんか?
それも、湿気が体にたまって**“張り”として表れるサイン**のひとつ。
そんな夜には、ホットタオルを首の後ろに置くだけで、ぐっとリラックスできます。
1. フェイスタオルを水で濡らし、かたく絞る
2. 電子レンジで30〜40秒温める(やけどに注意)
3. バスタオルでくるんで、首の後ろにそっと当てる
首の後ろは「自律神経のスイッチ」とも呼ばれる場所。
温めることで、交感神経から副交感神経へ、スムーズに切り替わりやすくなります。
10分ほどゆっくり深呼吸をしながら過ごすだけで、
1日の緊張がゆるみ、眠りの質も変わってきますよ。
④ 湿気疲れには「白湯+ほんのひとつまみの塩」
実は、梅雨のむくみや重だるさには、水分不足が関係していることも。
「湿気が多い=水分は足りている」と思いがちですが、
実際には体の内側の水分バランスが崩れているケースが多いのです。
そこでおすすめなのが、白湯にほんのひとつまみの天然塩を加える方法。
塩分が加わることで、体に必要な水分の吸収率が上がり、
汗や尿として余分な水分を排出する力もサポートしてくれます。
起きた直後や、なんとなくぼんやりする午後に1杯。
胃腸にもやさしく、内側からめぐりが整ってくる感覚があります。
⑤ 「背中トントン」で、がんばってる自分をゆるめる
湿気が続くと、なんとなく気分まで重たくなりがち。
そんなときは、ちょっと照れくさいかもしれませんが、自分の背中をやさしく“トントン”とたたいてあげる習慣もおすすめです。
トントンとリズムよく叩くことで、緊張していた筋肉や心がじんわり緩み、
脳が「安心した」と認識するという研究結果もあります。
ソファに座りながら、深呼吸しながら、寝る前の布団の中で──
「今日もよくがんばったね」と、自分をいたわる時間にしてみてください。
■ “やさしさ”は、体をめぐらせるエネルギー
湿気がまとわりつく季節は、
外に出ること、動くこと、人と関わること──
すべてにちょっとだけエネルギーが必要になります。
そんなときは、がんばるよりも、
「整える」「やさしくする」方向にチューニングしてあげるのが正解。
ご紹介したセルフケアは、どれも特別な道具や時間を必要としないものばかりです。
でも、続けていくうちに「今日は少し軽いかも」と感じる日が、必ずやってきます。
第5章|サロンで受ける“雨の日特化”のおすすめ施術とその効果
梅雨になると、体も心も「こもる」感覚がありませんか?
外に出るのもおっくうで、
気圧のせいか頭が重く、
なんだか呼吸もしにくいような…。
そんな「見えない不調」がつづくこの時期こそ、
サロンでのリラクゼーションを取り入れてみるのもおすすめです。
「こんな日にこそ来てほしい」とセラピストたちが感じるのは、実は雨の日。
それは、施術の効果が出やすいから──というだけでなく、
“ほぐす”だけじゃない、心までふっとゆるむ時間が必要な時期だからかもしれません。
この章では、梅雨時にぴったりのサロン施術をご紹介します。
■ 雨の日こそ「ふくらはぎ」は整えどき
前章でも登場した“ふくらはぎ”は、サロンでも大活躍するポイント。
長時間の座り仕事や、冷房による足元の冷え、湿気による水分滞留など、
梅雨時の脚はとにかくむくみやすく、重くなりやすい状態です。
そんな脚に対しては、
● オイルトリートメント(足つぼ・リンパ)
● 指圧と流しの組み合わせ(もみほぐし)
など、サロンならではのアプローチが効果的。
とくに足裏〜ふくらはぎにかけての施術は、
老廃物を流すだけでなく、「全身の軽さ」につながってくるのです。
「帰るころには靴がゆるくなってる」というお客さまの声も、よく聞かれます。
■ 首・肩・頭まわりのケアで、気圧疲れをふわっと解放
気圧の変化によって、無意識に首や肩がこわばってしまうことはよくあります。
また、重だるさ・ぼーっとする・集中力が続かない…といった不調の背景には、
首から上の“つまり”が隠れていることも。
そんな方におすすめなのが、
• ヘッドマッサージ(ドライ or オイル)
• 首・肩まわりの重点ほぐし
• 耳まわりのツボ押しや軽いストレッチ
といった「上半身ゆるめメニュー」です。
特にヘッドマッサージは、
「終わったあと目がぱっちりした」
「頭の中がスッキリした」
「気分が晴れた」
という声がとても多く、雨の日こそ受けたい施術のひとつ。
■ 「お腹」のケアで、自律神経が整いはじめる
梅雨の時期は、胃腸の働きがにぶりやすくなります。
そんなときに意外と効くのが、お腹まわりのケア。
施術の現場では、
• 腰から背中、お腹を含めた“体幹”へのアプローチ
• 胃腸の反射区を含むフットリフレクソロジー
• やさしいオイルでの腹部トリートメント
などが取り入れられています。
お腹は「第二の脳」とも呼ばれるほど、感情や神経とつながっている場所。
ここをゆるめてあげることで、体も心もふっと安心し、全身のバランスが整いやすくなるのです。
■ 「包まれる」ことが癒しになる日もある
雨の日にサロンへ足を運ぶと、
施術だけでなく、「包まれる」「触れてもらう」ことの安心感に助けられる瞬間があるかもしれません。
照明を落としたあたたかい空間。
やわらかいタオル。
丁寧な手のぬくもり。
アロマの香り。
静かな時間。
それは、自宅や職場ではなかなか味わえない、
“自分だけの空間”に心を置ける時間なのです。
「なんとなくしんどい」日に、
そっと寄り添ってくれる場所がある──
それだけで、心は少しずつ回復しはじめるのかもしれませんね。
■ セラピストが感じる「雨の日に多いお客さまの声」
実際に、サロンを訪れるお客さまの中にはこんな声も。
• 「今日は理由もなく疲れていて…」
• 「どこが痛いわけじゃないけど、全部重い」
• 「とにかくほっとしたくて来ました」
そんなときこそ、特別なことは必要ありません。
シンプルな手技でも、“気持ちを受け止めてもらえる場所”に来たという安心感が、回復力を高めてくれるのです。
■ 雨の日のサロンは、“静かな特別席”
雨音をBGMに、ゆっくりと体が緩んでいく時間。
外が暗いぶん、室内のぬくもりが心にしみる時間。
サロンという場所は、
梅雨時の不調にとって、いわば「一時避難所」のような存在かもしれません。
天気が悪い日ほど、気分がすっきりしない日ほど、
自分の体と心に「やさしいひととき」を贈ってみませんか?
第6章|心も体もスッキリ整う、雨の日の過ごし方レシピ
梅雨の雨音が、窓辺でトントン。
空はどんより、洗濯物は部屋干し、予定していた外出もキャンセル…。
そんな日こそ、「あ〜つまらないなあ」とため息をつきたくなる気持ち、よくわかります。
でも少しだけ視点を変えてみませんか?
雨の日は、自分を整える“チャンスの1日”。
いつものペースから一歩引いて、
“ゆるめて、癒して、整える”ためのちょっとしたレシピを、
今日はゆっくり実践してみましょう。
■ 朝|「光」と「呼吸」で、ゆるやかなスイッチを入れる
雨の朝は、とにかく体が起きづらい。
そこでおすすめなのは、まず“光”を意識的に取り入れること。
外が暗くても、照明をしっかりつけて部屋全体を明るく。
目に入る光の量が増えることで、体内時計がリセットされ、
「起きるスイッチ」がじわじわ入っていきます。
次に、深呼吸をひとつ。
1. 鼻から3秒かけて吸う
2. 口からゆっくり7秒かけて吐く
3. これを3回くり返すだけ
呼吸を深めることで、副交感神経が働きはじめ、
緊張していた体がふわっと緩んでいきます。
■ 午前|ゆったりと“体を動かす”リズムをつくる
朝の流れが整ったら、少しだけ動きのある時間を加えてみましょう。
・ごろ寝ストレッチで背中をゆるめる
・ふくらはぎを下から上へ軽くマッサージ
・軽く掃除や整理整頓をして体を動かす
激しい運動よりも、「ゆるやかに体が起きてくる」感覚を大切に。
湿気による体のこわばりやむくみが、少しずつ流れはじめます。
そして、香りや音楽の力もここでひとさじ。
お気に入りのアロマを焚いたり、雨音系のBGMを流したり──
「雨の日の朝がちょっと好きかも」と思える瞬間を、自分でつくっていきましょう。
■ 昼|“あたたかさ”を内側から取り入れる
梅雨の日は、冷えている自覚がなくても内臓が冷えていることが少なくありません。
だからこそ、ランチタイムは“あたたかいもの”を意識して。
・お味噌汁やスープ
・生姜を加えた煮物やおかゆ
・白湯にほんの少しの天然塩
など、内側からやさしく体をあたためる食事がおすすめです。
食後は、可能であれば10〜15分の“お昼寝”を。
横にならずとも、椅子に座ったまま目を閉じて深呼吸をするだけでも十分。
一日の後半が、驚くほど軽やかに変わります。
■ 午後|“ととのえる時間”を意識的につくる
午後にかけて、気圧の影響で頭が重くなる方も多い時間帯。
そんなときこそ、“ととのえる”時間を10分だけでも取ることが効果的です。
たとえば:
• デスクワークの合間に、首・肩・手首をくるくる回す
• 窓際に移動して光を感じながらストレッチ
• 足元にホットタオルを当てて、ふくらはぎを軽くマッサージ
「がんばらないけど、放っておかない」
この姿勢が、梅雨時の体調をキープする秘訣です。
■ 夕方~夜|“自分をゆるめるためのご褒美タイム”
日が暮れるころには、「ゆるめる」時間をしっかり取ることが何より大切。
おすすめのルーティンは以下のとおり:
1. ぬるめのお風呂(38〜40℃で15分)
→ 湯船にお気に入りの入浴剤や精油を入れて
2. お風呂あがりに「首のホットタオル」
→ 自律神経が整い、眠りの準備がスムーズに
3. 好きな香りとともに白湯を一杯
→ 内臓があたたまり、気持ちもふわっとほどけます
さらに、**“今日の自分をねぎらうひとこと”**を最後に。
「今日もちゃんと整えられたね」
「よくがんばったね。明日は、今日より軽くなってるよ」
そんな声を自分にかけるだけで、安心感はぐっと高まります。
■ 雨の日は、“心身のリトリート”ととらえてみる
雨の日は、なんだか憂うつ。
そう感じるのは当然のこと。
でも同時に、
● 外に出ずに過ごしても誰も責めない日
● 静かな時間が“許される”日
● 自分と向き合うことができる日
そう考えたら、雨は少し特別な日にも思えてきませんか?
「体と心がちょっと重いな」と感じる日は、
無理に明るくする必要はありません。
ただ、静かに整えるだけでいい。
そういう日があっても、ちゃんと整っていく。
梅雨は、そんなやさしい季節でもあるのです。
まとめ|「だるさ」と上手につき合う、梅雨のやさしい過ごし方
梅雨は、いつもの自分でいられなくなる日が増える季節。
体が重い、やる気が出ない、気分がどんよりする──
そんな“なんとなくの不調”に、戸惑うこともあるかもしれません。
でもそれは、怠けでも、弱さでもなく、
気圧や湿気、光の不足に反応している、体の正直な声なのです。
このコラムでは、そんな声にそっと寄り添う方法をたくさんご紹介しました。
• 気圧や湿度が自律神経に与える影響を知ること
• 雨音や香り、あたたかさなど“五感”を通じて癒すこと
• 自分の手でできるセルフケアを、毎日の中に取り入れること
• 必要なら、サロンという安心できる場所で、触れてもらうこと
• そしてなにより、「今日はがんばらない」と決めて休むこと
梅雨のしんどさに気づいたら、
まずは深呼吸をひとつ。
光を入れて、体をさすって、
あたたかいお茶をゆっくり飲んでみましょう。
“ゆるめること”は、“乱れてしまったものを整える”ことでもあります。
整った先には、きっと、
「なんだかちょっと気分がいいかも」と思える明日が待っているはずです。
雨の日が、自分にやさしくなれるきっかけになりますように。
そんな願いを込めて、このコラムをしめくくります☔
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