なぜ私は、断れないのか?を考える。-自分に優しい、心のセルフケア-
- 京都ほぐし堂WEB
- 7月7日
- 読了時間: 18分
更新日:9月29日

「ほんとは嫌だけど、まあいいか」
「断ったら角が立つし…」
「いい人でいないと、嫌われちゃうかも」
──そんなふうに、自分の気持ちを抑え込んで生きていませんか?
このコラムは、「やりたくないことを、ちゃんと断る練習帳」。
気づけば無意識に引き受けてしまう頼まれごとや、無理に合わせてしまう人づきあい。
そんな日常の“プチストレス”から、少しずつ自分を解放していくための、やさしいヒントを癒しの視点から詰め込みました。
断るのが苦手なあなたへ。
これは、わがままになるための本ではなく、“自分を大事にする”ための一歩を応援するコラムです。では、参りましょう。
📚 目次
やりたくないことをちゃんと断る練習帳
– 自分の気持ちに、やさしく「YES」と言えるようになるために –
第1章|なぜ私は、断れないのか?
「今日は早く帰ろう」と思っていたのに、
「ちょっとお願いがあるんだけど…」の一言で、なぜか「いいよ」と言ってしまう。
心のどこかでは、「ああ、また断れなかったな…」と、ため息まじりに思う。
そんな経験、ありませんか?
やりたくないことなのに、つい引き受けてしまう。
断る理由なんて、いくらでもあるはずなのに、気づけばいつも「いい人」でいようとしてしまう。
そして、あとからどっと疲れが押し寄せる──。
でも、どうして私たちは、こんなにも「断る」ことに罪悪感を持ってしまうのでしょうか?
■ 「いい人」でいたい症候群
多くの人は、子どもの頃から「人に親切にすること」「頼まれたら応えること」を、
“良いこと”として教わって育ってきたのではないでしょうか。
「わがまま言っちゃだめ」
「みんなで協力して」
「人に迷惑をかけないように」
その言葉がダメというわけではありません。
でも、それが無意識のうちに「断る=悪いこと」という思い込みにすり替わってしまうと、
本来守るべき“自分の気持ち”を後回しにするクセがついてしまうのです。
「嫌われたくない」「面倒だと思われたくない」──
そんな気持ちの奥には、「自分を認めてもらいたい」という健気な願いが隠れています。
■ 「NO」が言えないとき、体の中では何が起きている?
実は、「断りたいのに断れない」状態は、身体的にもストレスになっています。
交感神経が優位な状態が長引き、筋肉がこわばり、呼吸も浅くなっていく。
緊張しやすい
胃が重い
寝つきが悪い
朝起きると疲れが残っている
そんな体調不良の原因が、「断れなかったストレス」から来ていることもあるのです。
「小さな我慢」が積もると、やがて「なんとなくしんどい」という“慢性疲労”につながる。
気づかないうちに、自律神経が疲れてしまうのです。
■ 日本人に多い「曖昧なNO」の文化
さらに、日本特有のコミュニケーションスタイルも影響しています。
相手を尊重し、空気を読む文化は美徳でもありますが、「NO」をはっきり伝えることが苦手になりがちです。
たとえば、
「ちょっと忙しくて…」
「うーん、考えておきます」
「その日は予定があるかも…」
といった曖昧な表現で濁すことが多くなり、「断ったつもりが、伝わっていなかった」というすれ違いも起きがちです。
その結果、自分では断ったつもりでも、相手には「大丈夫そう」と受け取られてしまい、
後から“結局やる羽目に…”という状況になることも。
■ 断る=拒絶ではない。むしろ、信頼の第一歩
ここで一度、視点を変えてみましょう。
断るという行為は、「相手を拒絶すること」ではありません。
むしろ、自分を大切にすることによって、結果的に“相手にも誠実である”という選択なのです。
本当に嫌なのに無理をして引き受けても、
どこかに不満やストレスがにじみ出て、結果的に関係性がこじれてしまうこともある。
逆に、きちんと断ったことで、
「この人は自分の意志を持っている人なんだ」と、信頼されることもあります。
「やりたくないことには、やさしくNOと言う」
これは、相手との距離感を健やかに保つための“自己表現”なのです。
■ あなたが守るべきものは、まず“自分自身”
断ることに慣れていない人ほど、最初は勇気がいります。
でも、やってみると、思ったよりもスムーズに伝わったり、意外なほどあっさり受け入れてもらえることも。
「断ったら嫌われる」
というのは、たいてい“自分の中の思い込み”です。
自分のリズムを守る
疲れすぎないようにする
やりたいことに集中する余白を作る
そういった“自分にとって大切なこと”を優先するために、
「断る練習」はとても意味のあることなんです。
■ 練習は小さなところからでOK
最初から完璧に断る必要はありません。
まずは、家族や身近な人とのやりとりから、小さな「NO」を試してみる。
たとえば、
「今日は疲れてるから無理しないでおくね」
「今はちょっと気が乗らないなあ」
「別のタイミングで考えさせて」
そんな、やわらかくて誠実な言葉からでいいのです。
「断ることに慣れる」ことは、
自分を大切にするクセをつけることでもあります。
🔸この章のまとめ
断れない自分」を責めなくて大丈夫。
むしろそれは、あなたが人にやさしくあろうとしてきた証です。
でも、やさしさの矛先が「自分自身」に向くとき、
“NO”はもっともやさしい言葉になることがあります。
次章では、断ることを「自分を守る手段」として、どう整えていけるかを、
もっと具体的に見ていきましょう。
第2章|断ることは、自分を守る手段
「断りたいけど、なんだか言いづらい…」
そんな日があるのは、あなたの優しさのせいだけじゃなくて、
心や体が少し疲れていたり、気持ちに余裕がないサインかもしれません。
断るためには、意志の強さよりも、「整った心のスペース」が必要です。
この章では、“断ることをラクにしていく”ためのヒントを、やさしくお届けします。
◇「NOを言える」日は、心が整っている日
朝、カーテンを開けて空が少し青いと、それだけで心が軽くなる日ってありますよね。
ちょっとしたことでごきげんになれる日というのは、実は「選ぶ力」が戻ってきている証拠。
反対に、なんでも「うん」と言ってしまう日は、心に余白がないときかもしれません。
疲れているとき
プレッシャーを感じているとき
周囲の期待に飲み込まれそうなとき
そんなとき、私たちは「NO」という選択肢に気づきにくくなってしまいます。
断ることに必要なのは、“勇気”よりも“余白”です。
◇ 自律神経が整うと、断ることも自然になる
心と体が整っているとき、判断力や選択力も整います。
これは、自律神経の働きと深く関係しています。
副交感神経が優位になり、リラックスできているときは、
・自分の気持ちに素直になりやすく
・余計なプレッシャーに飲まれにくく
・人の顔色に過剰に反応しない
という状態になります。
そんな「整った心」は、“やさしく断る”ことにもつながっていきます。
◇ 断る準備は、ゆるむことから始まる
たとえば…
足湯にゆったり浸かる
好きな香りを深呼吸と一緒に
お気に入りのハーブティーを丁寧にいれる
自然の多い場所をゆっくり歩く
「やらなくていいことリスト」を書き出してみる
こんな風に、自分の緊張をゆるめる時間をもつだけで、
「今は引き受けなくていい」と、自分の心の声を受け取りやすくなります。
“癒し”は、「自分の選択肢を取り戻す手段」でもあるんです。
◇ 断るための“魔法のひとこと”を持っておく
断るときに、「どう言えばいいか分からない」という人も多いはず。
そんなときのために、“自分用のやさしい断りフレーズ”をいくつか準備しておくと安心です。
たとえば──
「今回はちょっと難しいかも。でも声をかけてもらえてうれしいです」
「今の自分には少し負担が大きいかなと感じていて…」
「いったん考える時間をもらってもいい?」
ストレートに「NO」と言わなくても、やさしく丁寧に断る方法はたくさんあります。
伝え方を選ぶことも、あなたのやさしさです。
◇「ちゃんと断る」は、心と体のメンテナンス
人は、無意識のうちに「やらなきゃ」と思っていることが多すぎると、
それだけで慢性的な疲れがたまっていきます。
「誘いを断れない」
「頼まれごとを引き受けてしまう」
「SNSの返信が義務になっている」
そんな日常の“やらなきゃ”を少しずつ手放していくことが、
本当の意味での「自分を整える」ことにつながります。
やることリストではなく、**“やらないことリスト”**を作ってみるのもおすすめです。
◇ まとめ|「断ること」は、自分をやさしく扱う第一歩
「やりたくないことは断ってもいい」
このシンプルなルールを、自分に許してあげるだけで、
気持ちは驚くほど軽くなっていきます。
断ることは、冷たいことでも、失礼なことでもありません。
むしろ、自分を大切にしながら、他人とも良い関係を築くための知恵なのです。
次の章では、断ることが少しずつ“自然にできる自分”になるための、
思考のクセや視点の変え方を一緒に探っていきましょう。
第3章|「NO」をやさしく伝えるフレーズ集
「断ると悪い気がする」「申し訳ない」「期待に応えなきゃ」
そんなふうに思ってしまうのは、決してあなたが気が弱いからではありません。
それは、ものごとの見方=“思考のくせ”が、少しだけ自分に厳しすぎるだけかもしれません。
この章では、心を少しラクにするための「視点のほぐし方」と、やさしく断るマインドの整え方をお届けします。
■ 思い込みをひとつずつゆるめていく
人は誰しも、自分の中に“無意識のルール”をたくさん持っています。
「頼まれたら断ってはいけない」
「期待に応えられないと、がっかりされる」
「一度引き受けたら、最後まで責任を持つべき」
でも、それって本当に“いつも正しい”でしょうか?
ときには「今の私には難しいな」「今回は違うな」と思う日もあるはずです。
大切なのは、すべての場面で完璧に応えようとしないこと。
“断る”ことは、期待を裏切ることではなく、
自分の状態を正直に伝えることでもあります。
■ 「断る=失う」ではなく、「断る=選ぶ」
断ったら人間関係が壊れてしまう気がする。
それは、「断ること=何かを失うこと」という前提があるからかもしれません。
でも、実際には──
「ちゃんと自分を持っている人」と信頼される
無理をしないことで、あとで心から感謝できる
本当にやりたいことや大切な人のための余白ができる
など、「断ることで得られるもの」もたくさんあります。
やりたくないことを手放すことで、やりたいことが近づいてくる。
そんなふうに視点を変えていくことで、気持ちが少しずつ軽くなっていきます。
■ 自分の「心の定位置」を整える
人との関わりの中で、自分の気持ちを見失いやすい人は、
常に“相手寄り”の場所に心を置いてしまっているのかもしれません。
どう思われるかな…
相手が傷つかないかな…
迷惑じゃないかな…
もちろん、相手を思いやる気持ちはとても大切です。
でも、その前に「私はどう感じてる?」と自分に問いかけることも同じくらい大事。
自分の気持ちの定位置を取り戻すと、
相手にやさしく寄り添いながら、無理のない距離感で付き合えるようになります。
■ 小さな違和感に気づく練習をする
「断る」かどうかの判断には、“ちょっとした違和感”に気づけるかどうかがカギになります。
たとえば…
なぜか胸の奥がザワつく
足が勝手にそわそわする
呼吸が浅くなる
そういった身体の反応は、心のサインでもあります。
癒しの時間を日常に取り入れることで、この“違和感センサー”はぐっと鋭くなっていきます。
ゆっくりお茶を飲む
好きな香りに包まれてストレッチをする
夜、スマホを見ずに静かに過ごす
そうやって、自分と静かに向き合う時間が増えるほど、
「これは本当にやりたいことか?」と判断する力も育っていきます。
■ 「無理なく断れる人」になるために、できること
最後に、「断ることが自然な人」に共通する、ちょっとした習慣をいくつか紹介します。
すぐに返事をせず、「考える時間をもらう」クセをつける
予定を詰めすぎず、空白時間をあえて残す
やる・やらないの判断軸を「ワクワクするかどうか」にしてみる
一度断ったあとも、関係が続くことを何度も実感する
どれも、“自分の人生のハンドルを自分で握る”ための練習です。
🔹この章のまとめ
「断ることで相手に嫌われる」と思っていたけれど、
実は「断ることで、私らしい関係が築ける」こともある。
そう気づくと、選ぶこと・断ることが、ちょっと楽しくなるかもしれません。
次章では、「やりたくないことを引き受けたあと」のモヤモヤをどう整えるか──
“引き受けちゃった後でも、自分を取り戻すケア方法”を紹介していきます。
第4章|“いい人”を卒業して見えてきたもの
──「NO」と言えなかった日にも、自分を取り戻す方法
■ やってしまった…の“あと悔やみ”は誰にでもある
「断るつもりだったのに、また引き受けてしまった…」
帰り道や、お風呂に入っているとき、ふっと湧いてくる後悔。
あのとき、もう少しちゃんと気持ちを伝えられていたら──。
そんな“あと悔やみ”、誰しも一度は経験があるのではないでしょうか。
でも大丈夫。
やさしく自分をケアすれば、気持ちはきちんと戻ってきます。
この章では、「やりたくないことを引き受けたあとのモヤモヤ」へのセルフケア術を、癒しの視点とともにお届けします。
■ 「あのときの私」を責めないことから始める
まず一番にやってほしいことは、自分を責めないことです。
「なんでまた断れなかったんだろう」
「はっきり言えばよかった」
そんなふうに、過去の自分に厳しくなると、どんどん気持ちが縮こまっていきます。
その代わりに、こう言ってみてください。
「あのときの私は、あれが精一杯だったんだな」
「よくがんばったね」
失敗ではなく、“経験”としてとらえるだけで、心の中にやわらかさが生まれます。
■ モヤモヤは体に残る。だから、体からほぐす
引き受けた後のストレスや緊張感は、頭だけでなく体にも残ります。
肩がこる
胃が重たい
呼吸が浅くなる
頭がぼーっとする
こんなサインが出てきたら、まずは体からゆるめるのが効果的です。
おすすめの癒しルーティン:
首の後ろをホットタオルで温める
→ 頭の緊張がゆるみ、気持ちがふっと軽くなります。
ぬるめのお風呂に入って「何も考えない時間」を作る
→ 頭と体の“空白”を取り戻せます。
ラベンダーやベルガモットの香りで、深呼吸
→ 副交感神経を優位にし、気持ちが静まっていきます。
「気持ちの整理は、体から始める」──それだけでも、ずいぶん違ってきます。
■ 「言えなかった言葉」は、紙に書いて昇華する
本音を言えなかったままだと、心の中に“言いたかった言葉の渦”が残ります。
それがいつまでもモヤモヤを引きずる原因に。
そんなときは、ぜひ紙に書いて出すという方法を試してみてください。
本当は何て言いたかった?
どうして断りたかったの?
なぜ言えなかったのかな?
誰にも見せなくていい。正直な気持ちをぜんぶ書き出すだけで、心がスーッと静かになります。
そして最後に、「それでも、私はよくがんばった」と、一言そえてあげましょう。
■ “やりたくなかったこと”に、ちょっとだけ意味を見つける
たとえ無理して引き受けたことでも、あとから意味づけできると心は救われやすくなります。
「あれを経験したから、次はちゃんとNOって言おうと思えた」
「自分が無理すると、どこに影響が出るか分かった」
「あの人との距離感を見直すきっかけになった」
それは、失敗じゃなく“気づき”の一歩です。
同じモヤモヤを繰り返さないための、大切な通過点だったのかもしれません。
■ 自分に「もう大丈夫」と伝える
モヤモヤを整えたあとは、最後に自分にひとこと声をかけてみてください。
「もう終わったよ」
「もう大丈夫だよ」
たったこれだけのひとことで、心の中にスイッチが入ります。
まるで、小さな子どもをあやすように、
自分自身の感情にも、やさしく寄り添ってあげてください。
🔹 この章のまとめ
引き受けたあとに感じるモヤモヤも、きちんとケアすればちゃんと晴れていきます。
「言えなかった私」も、「疲れている私」も、まるごと受け入れてあげることで、次はきっともっと上手に“NO”が言えるようになります。
次章では、「どう断ればいいのか?」の実践編。
いよいよ、心も言葉も“軽やかに断る”ための具体的なテクニックをご紹介していきます。
第5章|関係を壊さない断り方のセンス
── 心地よくNOを伝えるための、言葉の引き出し
「断る」って、なんだかハードルが高いもの。
でも、ほんの少しコツを知っておくだけで、NOはもっと軽やかで、気まずくないものに変えられます。
この章では、「断りたいけど角が立たない言い方って?」「断っても嫌われない方法は?」というお悩みに応えるべく、“使える断り方”と“言葉のレパートリー”を、たっぷりご紹介します。
■ ポイント①|まず“感謝”から始めてみる
どんな断り方でも、最初に「声をかけてくれたこと」に感謝を伝えると、印象がやわらかくなります。
たとえば…
「声をかけてくれてありがとう」
「私に相談してくれたこと、うれしかったよ」
「気にかけてくれてありがとう」
このひと言があるだけで、相手も「断られた」ことより「気持ちを受け取ってもらえた」安心を感じやすくなります。
■ ポイント②|“自分の事情”を主語にして伝える
断るときにありがちなのが、「相手に悪いな…」と感じて、言い訳がましくなったり、曖昧になってしまうこと。
でも、「◯◯だからできない」と事情を説明するより、
「いまは、自分の時間を大事にしたい時期なんだ」
「体調的に、今は無理をしたくないんだ」
と、自分の気持ちや状態を主語にして伝えると、責められる心配も少なく、納得してもらいやすくなります。
■ ポイント③|代替案を添えると、やさしさが伝わる
ただ断るだけでなく、「別の形で力になりたい」という思いがあれば、具体的な代案を添えるのもおすすめ。
「今は難しいけど、◯日以降なら大丈夫かも」
「私は行けないけど、あの人に聞いてみるのはどうかな?」
「資料だけならお渡しできるよ」
“できる範囲で手助けしたい”という姿勢があると、断る場面でも関係性が崩れにくくなります。
■ よくあるシーン別・やさしい断りフレーズ集
🔸 仕事の依頼をやんわり断りたいとき
「今取り組んでいる仕事に集中したくて…」
「少し余裕がない時期なので、ごめんなさい」
「今回は見送らせてください。でも、またタイミング合えば!」
🔸 飲み会や誘いを断りたいとき
「最近、自分のペースを整えてるところで…」
「今週は体を休める日にしたくて、ごめんね」
「また別の機会に誘ってくれるとうれしい!」
🔸 家族や親しい人からのお願い
「うん、それも大事なことだね。でも、今はちょっと自分を優先させてね」
「やりたい気持ちはあるけど、今は体力的にちょっと厳しいかも」
「気持ちはすごくありがたい。でも、今回は無理しないでおくね」
■ “ユーモア”が助けになるときもある
ときには、ちょっとした笑いが、断る空気をふわっと軽くしてくれることも。
たとえば…
「私、今日から“断る強化週間”なんだ」
「やりたい気持ちはあるけど、体がついてこなくて!年かな〜?」
「これ以上予定を入れると、わたし崩壊しちゃう(笑)」
笑いのエッセンスがあると、相手も深刻になりすぎず、関係性を和らげる潤滑油になります。
■ 断ることは「境界線」を引くこと
私たちはつい、「やってあげたい」「応えたい」と思いがちですが、
“自分の領域”を大切にするために、境界線を引く
ということも、人間関係ではとても大切です。
はっきり断ることは、自己中心ではなく“自己尊重”。
境界線をきちんと引くからこそ、自分らしい時間や体力、人間関係が守られていくのです。
🔹 この章のまとめ
やさしい言葉で、自分の立場や気持ちを伝える。
断ることは、相手を否定することではなく、「私はこうありたい」と伝える、前向きな選択です。
そしてなにより、あなたがあなたらしくいられるための、大切な“言葉の技術”なのです。
コラムのまとめ|“NO”を味方につけて、心地よく生きる
── 自分をすり減らさない、心地よい人づきあいの練習帳
“断る”というたったひとつの行動が、こんなにも心や体に影響を与えるなんて、意外だったかもしれません。
でも実は、「断れない私」を続けることは、
スケジュールの過密
心身の不調
自己否定感の積み重ね
こうした“じわじわ削られる疲れ”を生みやすくしてしまいます。
だからこそ、やさしく「NO」と言える力は、
わたしたちの健やかな毎日を守ってくれる、大切なライフスキルなんです。
■ やさしさは、まず自分へ
相手のことを想う気持ちが強い人ほど、「断って申し訳ない」「嫌われるかも」と、自分を後回しにしてしまいがち。
でも、あなたの“やさしさ”が本物であるためには、まずそのやさしさを、自分に向けてあげてほしいのです。
「今は無理しないでおこう」
「これ以上は引き受けすぎかもしれない」
「やりたくないことを手放して、好きなことに時間を使おう」
そうやって、自分の気持ちをちゃんと受け止めてあげることが、
あなた本来の笑顔や余裕を取り戻す“癒し”の第一歩になります。
■ 「NO」を言うことは、心を整えるセルフケア
このコラムを読み終えた今、「断ること=冷たいこと」ではなく、
「断ること=自分を整えるケア」だと思っていただけたら嬉しいです。
断ることで、
心が軽くなる
時間にゆとりが生まれる
本当に大切な人やことに集中できる
そんな“整った私”になれるなら、NOはきっと、やさしい魔法のようなもの。
■ これからも、練習は続いていく
最初はぎこちなくても大丈夫。
「断るのが苦手だったけど、少し言えるようになった」
それだけでも、あなたの世界は変わり始めています。
癒されたいとき、疲れたとき、誰かの期待に応えすぎて苦しくなったとき──
この“やさしい練習帳”を、そっと思い出してください。
あなたが、あなた自身を大切にできますように。。。✴︎
コメント